4人のシナリオライターは異世界の破滅を阻止する
雪月花VS花鳥風月
第1話 プロローグ
とある異空間にシナリオ神達が集結した。
「今回の転生者と転移者は『異世界で破滅を阻止しよう』のシナリオライター4人が選ばれた」
「黒崎麗子はどのキャラに転生させれば良いと思うかね」
「やはり筆頭悪役令嬢のレアル・フロイトですよ」
「賛成よ」
「同意に決まっている」
「同感だ」
「当然であるな」
「それではレアル・フロイトに決定する。そして死亡方法はくじ引きで決める」
シナリオ神イッカがくじを引いた。
『コンビニ強盗による刺殺』
「神代瀬名は誰に転生させるかね」
「悪役令嬢のサニー・ドンクですよ」
「悪役令嬢のネアカ・ネクロよ」
「悪役令嬢のクロエ・リストに決まっている」
「ヒロインのセレス・アプリコットだ」
「セレス・アプリコットであるな」
「それではセレス・アプリコットに決定する」
『飲酒運転による交通事故』
「勇坂香織はどうするね」
「カルラ・ブリュッセルですよ」
「リメル・ロザリオよ」
「ザクロ・バンカーに決まっている」
「メリット・シフォンだ」
「カルラ・ブリュッセルであるな」
「それではカルラ・ブリュッセルに決定する」
『飛び降り自殺者の巻き添え』
「羽生悲喜盛は」
「筆頭攻略対象のラドロフ・ル・ラグリットですよ」
「攻略対象のパワード・リタイアよ」
「攻略対象のセイヤ・パンクに決まっている」
「攻略対象のマジック・スリップだ」
「隠れ攻略対象のベルモンド・ラ・ルトランティスであるな」
「意見が完全に別れたので、羽生悲喜盛は転移させる。全ては我々の娯楽の為に乾杯」
「「「「「全ては我々の娯楽の為に乾杯」」」」」
シナリオ神達は娯楽に飢えていた。
異世界ゲーム『異世界で破滅を阻止しよう』完成祝いの宴会は盛り上がっていた。
「ようやく納期までに完成させたな」
「ギリギリでしたけどね」
「徹夜続きだったから、暫く有給を取りまくってやる」
「私もです」
「レコリン、セナリン、呑んでますか」
「呑んでるわよ」
「呑んでいますよ」
「どれどれ、確認させて頂きます」
「息の匂いを嗅ぐな」
「香織、顔が近いですよ」
「セナリン、カオリンと呼んでくれと何度言わせるんです。罰としてお仕置きします」
「胸を揉まないで下さい」
「いい加減にしろ、香織」
「い、痛いじゃないですか。パワハラで訴えますよ」
「アンタ、酒を呑んだわね」
「貴女は未成年でしょう」
「私は18歳ですから、立派な成人ですよ」
「酒は20歳になってからだ」
「だから貴女は呑んでは駄目なんです」
「そうなんですか。知りませんでした」
「惚けるな」
「誤魔化さないで下さい」
「それより4人目のシナリオライターは来ていないのですか。会いたかったのに、とても残念です」
「そういえば来ていないな。私も会ってみたかったな」
「彼は宴会には絶対に来ませんよ」
「盛り上がっているが、そろそろ時間だ。お開きにする」
幹事がお開きにすると告げた。
「レコリン、セナリン、もう1軒呑みに行きましょう」
「お断りだ」
「遠慮します」
「2人共、冷たいです」
「寄り道しないで帰れよ、香織」
「香織、ナンパしては駄目ですよ」
「どうして私にだけ注意するんです」
「「日頃の行い」」
「2人共、酷いです」
「それじゃな」
「失礼します」
(コンビニに寄って、酔い覚ましの缶コーヒーでも買うか)
黒崎麗子はコンビニに入り、缶コーヒーを手に取った。
「金を出せ」
(コンビニ強盗か)
麗子は持っていた缶コーヒーをコンビニ強盗に投げ付けた。
「い、痛えな。てめえ、何しやがる」
「おい、強盗なんて馬鹿な事をしてんじゃない」
「うるさい、死ね」
麗子は包丁で腹を刺されてしまった。
「警察を呼べ」
「それより救急車だ」
(このまま死ぬのか。有給取れなかったな)
病院に緊急搬送されたが、麗子は出血多量で死んでしまった。
(少し酔ったけど、運転しても問題無いですよね)
神代瀬名は飲酒運転をするつもりだ。
「え〜と、アクセルはこっちで、ブレーキはそっちですよね」
(あれ、アクセルとブレーキを踏み間違えたみたいです)
車は急発進してしまい、猛スピードでガードレールに突っ込んだ。
(意識が途切れそうです。このまま死ぬのでしょうか)
瀬名は交通事故で、呆気なく死んでしまった。
「お姉様達、呑みに行きましょう」
勇坂香織は2人の大学生をナンパしていた。
「しつこいわね」
「貴女、未成年よね」
「私は成人です」
「嘘を付くな」
「どう見てもJKじゃない」
「飛び降り自殺だ」
「早く避けろ」
(・・・何が起きたの)
香織は自殺者と衝突してしまい、そのまま即死した。
(確か今日は宴会だったな。ブリっ子の神代瀬名は噂の腹黒御局の黒崎麗子やセクハラJKの勇坂香織と楽しく呑んでいるんだろうな。・・・そろそろ寝るか)
羽生悲喜盛は自室で就寝した。
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