ハロー。いつも顔を真っ赤にして照れてる白い太陽みたいな女の子ときらきらしている大切な宝物の小さな星のアクセサリーのおもちゃ。
雨世界
第1話 ハロー。今日もいいお天気ですね。
ハロー。いつも顔を真っ赤にして照れてる白い太陽みたいな女の子ときらきらしている大切な宝物の小さな星のアクセサリーのおもちゃ。
ずっと大好き。本当に好き。
ハロー。今日もいいお天気ですね。
むかしのこと
……私はその日、全力でこの世界のあらゆるすべてを遮断した。震える両手で耳を塞いで。ぎゅっと強く目を閉じて。……それから、きつく自分の口を閉じて、……そうやって、大好きな自分の顔と声を失って。
目を開けるとそこは真っ暗な闇の世界だった。なにも見えない深い深い闇の中。(自分の体も見えなかった)
なにがあるのかも、どこにいるのかもわからなかったし、声も全然出なかった。(あの、誰かいますかって言おうとしたんだけど、口を動かしても声は出てはくれなかった)
私は少しの間、その闇の中にひとりぼっちでじっとしていた。(じっとしているのは得意だったから、全然嫌じゃなかった。真っ暗で怖かったけど)
それから私はそっと目を閉じることにした。
なにも見えない闇の中にいるのなら、目を開けている必要はないし、目をつぶって眠ろうかなって思ったのだ。(なにもすることはなかったし、ちょっとだけ、まだ眠かったし)
するととっても不思議なことが起こった。
目をつぶると真っ暗になるはずなのに、『つぶったまぶたの裏の世界は光に包まれていた』。
とても美しくて、眩しくて、あったかい、きらきらとした光の洪水の中に私はいた。(目をつぶると世界が明るくなるなんて、いつもとは反対だったからすごくびっくりした)
「うあー」
私は思わず感動して、そんな声を出した。(それから自分の声を久しぶりに聞いて、ちょっとだけ驚いた)
私の声は(今度は)ちゃんと出て、私の小さな耳に聞こえてきた。
眩しい光の中の世界。
そんな世界の中にいつのまにか私はいた。
それから、そんなたくさんの光を見ながら、ここはどこなんだろうって、私はふと思った。
私は目をつぶっているのだから、ここはもしかしたらここは『私の見ている夢の中の世界』なのかもしれないって思った。私はいつのまにかに、きっと目をつぶったときに、あっという間に眠ってしまったのかもしれないって思った。(あるいは、もしかしたら始めからずっと私は眠ったままで、私の見ている夢の中にずっといたのかもしれないけど、よくわからなかった)
スタートライン
よーい、どん!
君は奇跡だった。嘘じゃないよ。
私たちはみんな競争の中にいる。
生まれたときに、ぱんっておもちゃの銃の音がして、スタートの合図がなって、頑張って全力で走ってみんなと競争をしている。
それはみんながみんなそうで、私たちは大きな競技場の大きなレースのコースの上を走っている。観客席にいる人は誰もいない。(レースを観戦している人は誰もいなくて、席は全部からっぽだった)
だけどたまにスタートラインのところで走らないで、じっと立ったままでぼんやりとしている人がいる。
その人はきっとスタートの合図が鳴ったことを知らなくて(きっとスタートの合図の音が聞こえなかったのだと思う)それを待っているのかもしれない。(あるいはここがレースの会場であること、私たちが競争の世界の中にいること、もしくは自分が選手であることを誰も教えてくれなくて知らないのかもしれない)それをじっと待っているのかもしれない。
そんな人を見て、私はその人に、もうレースは始まってますよ。私と一緒に走りましょうって声をかけてあげたかった。
でも、それはできなかった。
私ももちろん、みんなと一緒に大きなレースのコースの上を走っている途中だったから、遠くから見ていることはできたけど、その人の近くまでいって声をかけてあげることはできなかった。
私はそのことをとても悲しいことだと思った。(とっても悲しい気持ちになって、とっても心が痛くなった)
そのとき、一人の女の子が私の横を走り抜けていった。(その女の子は私の競争のライバルだった)
その女の子に追い越されてしまって、私はあっと思って、すぐに気持ちに切り替えて前を向いた。(危ない。今はレースの途中だった)
そして走り続けた。
みんなと一緒に。
自分のレースを。
すると私はだんだんと走ることだけに集中して、それ以外のいろんな気持ちがなくなっていった。(スタートラインのところに立ったままでいる人のことも忘れてしまった)
私は前を見ながら走り続けた。
気持ちのいい風といっしょに。
太陽の光の中を。
笑顔で。(走ることは大好きだった)
ただ、まだどこにも見えない、きっとどこかにあるはずの遠い遠いゴールラインを目指して。(きっとそこには私の欲しかったものが、黄金のメダルと一緒に全部あるって思った)
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