名作『シュタインズ・ゲート』を彷彿とさせる、「スマホと電子レンジ」を用いたタイムパラドックスを描くSF短編です。
どこか懐かしさを感じる設定ながら、現代の「5G」などの要素を取り入れ、より身近でリアルな手触りの物語に仕上がっていると思います。
特筆すべき点は、「未来を知ること」が幸福ではなく、逃げられない「義務」に変わっていく怖さです。
一度でも過去を変えて利益を得ると、世界の矛盾を防ぐために、自分もまた「情報のバトン」を過去へ送り続けなければならなくなります。
予知という特権が、いつの間にか逃げ場のない「因果の鎖」へと変わっていく描写には、背筋が凍るような独特の面白さがあります。
難しい理屈を抜きにして、因果応報の皮肉をスピーディーに味わえる、読み応えのある一作です。