このお話は、熊の行動を追いながら、味わうということや、気づくということについて考えさせられる作品だと感じました。最初は単純なやりとりに見えても、読み進めるにつれて、岩に書かれた言葉や草の存在が、少しずつ別の意味を帯びていくように思えます。童話らしい素朴さの中に、受け取り方によって印象が変わる奥行きのある一編だと思います。