第4話 第3章 アジトの盾、拳士ミサキ
📘第3章 アジトの盾、拳士ミサキ
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Scene 12:不穏な静寂
アジトの作戦室。ミサキが一人でいる。
拠点を包む静寂。
それは――嵐の前触れだった。
風は止み、遠くの森で鳴いていた鳥の声も、いつの間にか消えていた。
重く、湿った空気が肌にまとわりつく。
ミサキ「……静かね。何もなければいいけど…」
窓の外を睨みながら、ミサキは小さく呟いた。
胸の奥に渦巻く、説明のつかない不安。
何かが近づいてくる――そんな感覚が、確かにあった。
Scene 13:幼き日の約束
──遥か昔。故郷の村が襲われたあの日。
幼いミサキが泣きながら走っていた。
焦げた風の匂いが鼻を刺す。
遠くで爆ぜる音。崩れ落ちる家々。
ミサキ(幼)「シンっ‼︎ どこなのっ⁉︎」
崩れた家の前で、少年が立ち尽くしていた。
その手には煤まみれの布切れ。
背後の空が、魔法の炎で赤黒く染まっている。
シン(幼)「……母さんが、まだ……!」
ミサキ(幼)「もうダメ‼︎ 逃げなきゃ‼︎」
少女は震える手で、少年の手を掴む。
炎の熱で肌が焼けるほどの距離で、二人は必死に駆け出した。
シン(幼)「……僕が、守る。ミサキ姉ちゃんを。絶対……」
ミサキ(幼)「……うん……」
その約束の言葉だけが、二人を生かした。
Scene 14: 忍びよる何か
──現在。
ミサキは窓の外に視線を戻す。
かつて燃え落ちた村の光景が、脳裏をかすめた。
ミサキ(独白)「……あの時の事が、まだシンを……だから……」
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アジト、数時間前。
シン「留守を頼む。大丈夫そうか?」
ミサキ「私は大丈夫よ。任せておいて。」
と、そこへガロウが乱暴に割って入る。
ガロウ「ガハハ、大丈夫だよな。もっとも、シンがいないのは寂しいだろうけどな。」
ミサキ、じろりと睨む。
シンには聞こえていなかったようだ。
ガロウ「おうおう、若いもんはいいねぇ!」
二人は物資調達のため、拠点を後にした。
ミサキは扉が閉まる音を聞きながら、
ミサキ「……気をつけてね」
と小さく呟いた。
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再び、現在。
アジト
ミサキ「うん。シンが帰ってきたら、ちゃんと謝らなきゃ」
不気味な静寂の中、空の色が赤く染まりはじめたその時――
「敵襲ーーーッ‼️‼️」
鋭い叫び声が響く。
地面が揺れ、爆音とともに建物の一部が吹き飛んだ。
黒煙と火の手が空へ昇る。
ミサキ「……くっ、こんな時に!」
躊躇なく立ち上がり、拳を握り締める。
「私がやらなきゃ! シンたちが戻るまで!」
扉を蹴り開け、黒煙の中へ飛び出す。
そこには、異様な鎧をまとったゼファーリア兵の群れ。
ミサキは怯むことなく跳躍。
空中で身体をひねり、鋭い回し蹴りで敵兵を吹き飛ばす。
ミサキ「1、2、3……数が多いわね! でも、この程度なら!」
拳術と魔法を織り交ぜながら、次々と敵兵を薙ぎ倒していく。
だが――倒したはずの兵士たちが呻き声を上げ、再び立ち上がった。
ミサキ「なにこれ……また、あの感じ……!」
冷たい空気が、背筋を走る。
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Scene 15:白いフードの男
???「……ふむ。思ったよりやるな。」
兵士たちの間から、白いフードを深くかぶった男が現れる。
その足元の影が、不自然に光を吸い込んでいた。
ミサキ「誰……?」
ノネム「名乗るほどの者ではないさ。ただの――“探し物”をしている旅人に過ぎないよ。」
視線が絡みつく。氷のような冷たさと、底知れぬ興味を混ぜた眼差し。
ノネム「ここには光の器がいると思っていたんだが……見誤ったかな。光の器はどこにいる?」
ミサキ「……なにを言ってるの?」
ノネム「まあいい。少し暇潰しでもしよう。貴女の力――見せてもらいましょうか。」
その声が合図となり、兵士たちが再び襲いかかる。
ミサキ「こんな奴らに……負けてたまるかぁ‼️ ヒート・ウェイブ‼️」
咆哮とともに、拳から火の衝撃波が放たれ、兵士たちをまとめて吹き飛ばす。
だが、それでも彼らは立ち上がる。
ノネムは、まるで実験を観察するように微笑んだ。
ノネム「ほう……中々やりますね。面白い……戦火の中で光る小石、といったところか。」
ミサキ「私をなめないで‼️」
ノネム「フッ、これは失礼を……だが、どうやら私の探し人はいないようだ。」
不気味な余裕を漂わせながら、掌に黒い雷を纏わせる。
ノネム「終わりにしよう。――アビスショット‼️」
強烈な魔力弾が放たれ、ミサキは回避するも肩をかすめられる。
裂けた服の下、淡く光る紋章が覗いた。
ノネム「……おや、それは……」
ミサキ「何?」
ノネムの口元が歪む。
ノネム「そうか、君も“器”か……。」
ゆっくりと歩み寄るノネム。
兵士たちは再び包囲を狭めていく。
ノネム「君は強いよ、実に。だが――“何のために”戦っている?」
ミサキ「……守るためよ‼️」
ノネム「何を?」
ミサキ「あなた達のような人から、ここを、この国を、そして――大切な人を‼️」
ノネム「“大切な人”か。なるほど、それは――“名前を口にできないほどの存在”ということかな?」
ミサキ「な……何言ってんのよ、バカじゃないの……!」
ノネム「君がその人に抱く想いは、どれほどのものだ? 本当に届いているのか?」
ミサキ「黙れ‼️‼️」
ミサキは拳を繰り出すも、ノネムは難なくかわす。
ノネム「想いは、口にしなければ伝わらない。本当に……その“誰か”は、君を見ているのか?」
ミサキ「うるさいっ‼️」
ノネムの口角がさらに吊り上がる。
そして――
ノネム「では、“力”をあげよう。君の想いを届かせるための、“力”を。」
ミサキ「あなた達のような力はいらないわ‼️」
ミサキは後方へ跳び、詠唱を始めた。
ミサキ「リュミエール・アロー‼️」
光の矢が放たれ、ノネムを直撃する。
眩い閃光が爆ぜ、煙があがる。
ミサキ「やった……!」
だが――その背後から低い声。
ノネム「気が済んだかな……?」
振り返ると、そこに立つノネムの影。
黒い“思念体”が蠢き、ミサキに迫る。
ノネム「さぁ……君の心を、解き放とう。」
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Scene 16:闇の姫、降誕
それが胸元に触れた瞬間、全身を貫く異物感。
魂が焼き焦げ、視界が黒に染まっていく。
ミサキ「っ、あ、あぁ……っ、ぐぅ……あぁああああああ‼️‼️」
ノネム「……よく耐えているね。普通なら、とっくに壊れている。」
ミサキ「い、や……や、め……て……」
ノネム「さぁ、抗うのをやめて、楽になりなさい。」
ミサキ「……い……や……」
ノネム「さぁ、心を解放するのだ。」
痙攣し、黒い瘴気を纏い始めるミサキの瞳に、たった一人の影が映る。
――シン。
ミサキ「っ……シ……ン……たす…け……て……」
ミサキ「シン……っ、シン……‼️」
ミサキの目から一筋の涙が溢れた。
ミサキ「シィィィィィィィィィィィィィィィィィィン‼️‼️‼️‼️」
その叫びと同時に、黒い爆発が拠点を飲み込む。
空が裂け、大地が揺れ、建物が瓦解していった。
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焼け焦げた大地の中央に立つ影。
高く束ねたポニーテール、妖しく輝く瞳、黒の衣装。
唇には無邪気で壊れた笑み。
???「……ん? どこ、ここ?」
ノネムがゆっくりと近づく。
ノネム「ようこそ、闇の姫――“ミザリー”よ。」
ミザリー「ミザリー? それが……あたしの名前?」
ノネム「ああ、君に相応しい名だ。」
ミザリー「ふぅん……いい響き💜」
スカートを揺らしながら、くるりと回る。
その瞳には、もう迷いはなかった。
ミザリー「ねぇ、あたし、色々あった気がするけど……今、すっごく解放されたって感じがするの。」
ノネム「それが君の本来の姿だ。」
ミザリーは軽やかに一歩を踏み出し、崩れ落ちた拠点に背を向けた。
ミザリー「ふーん、まあ、いいわ。行こっか💜」
そこにはもう、ミサキはいなかった。
※本作はAIアシスタントの助言を受けつつ、作者自身の手で執筆しています。(世界観・物語は全て作者オリジナルです)
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