その名はJ!

こうけん

第一章:虹死病と七晶石

第1話 虹死病

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虹死病イリーテム

 エネルギー鉱石<七晶石ゲミンニュウム>が原因にて発症する病。

 観測機器にて補足できない超微粒子が、体内に蓄積することで発症する致死率一〇〇%の不治の病。

 厄介なのは、潜伏期間が世代を跨いでと長く、孫の代で発症。

 人として死ぬのではなく人間として死亡する。


虹災こうさい

 暴風、豪雪、豪雨と七晶石成分を含んだ自然現象。

 風のひと吹きや雪の結晶一つ、雨粒一つに虹死病の原因となる超微粒子が含まれている。

 防疫体制を整えようと都市レベルの防疫でなければ、症状を悪化させてしまうほど危険。

 予兆を掴めやすい為、予測による退避行動を推奨する。


<パーティクルレベル>

 症状レベルは四段階に分類される。

 パーティクルレベル一。

 軽い倦怠感や咳、微熱など風邪に似た症状。

 パーティクルレベル二。

 体表や臓器のどこかに七晶石が析出せきしゅつする。

 パーティクルレベル三。

 全身が七晶石に覆われ、仮死状態となる。

 パーティクルレベル四。

 蛹から羽化するように七晶石より怪物イルクスが誕生する。


<イルクス>

 虹死病イリーテム末期患者。

 既に人ではなく、人間として死亡している。

 絶滅した動植物と人の姿を併せ持ち、理性のない獣の如く人間を襲う。

 攻撃にて負傷した者は、擦過傷であろうとレベル三を発症させ、一、二週間の経過を経てイルクスに転化する。


 ※注意:感染者は差別用語のため使用しないように。

 使用した場合、始末書及び三ヶ月月の減俸、一ヶ月の謹慎処分となります。


<予防策一>

 分類上、鉱石生命体に転化しているため破壊が可能。

 二次感染阻止のため、武力を持ってイルクスたる病巣を切除する。

 

 ※切除の際、患者遺族の抗議は無視すること。

 都市防疫法にて、切除たる医療行為は法的に認可されています。

 医療行為への妨害が確認された場合、拘束を行うこと。

 そうしなければ、新たな患者が増えるのを心得てください。


<予防策二>

 延命外部装置Vギアにより、症状の遅延と緩和を行う。


<予防策三>

 Eシステムを使用する。

 

 *ただし不確定要素あり。

 現時点で最大の治療効果があろうと、安定性に欠ける。

 使えるか否かは、次第。


            *


 惑星ガデン、バースド地方の本日の天気をお知らせします。

 外界の気温は六〇度超え、粒子滞留率八五%、虹災率0%。外出には大変、不適となっております。

 他移動都市への出張や機械資源収集で外界に赴く方々は、感染予防をお忘れなきようお気をつけください。

 感染が確認された場合、都市防疫事項B条二三項に抵触し、感染拡大を防ぐため都市への入場は認められません。

 容態によっては、衛生維持の観点により射殺もやむなしなのをご理解とご協力をお願いいたしております。


 続きまして、移動都市パルテノペの移動状況をお知らせいたします。

 現在、安全性が確認されたため、時速二〇キロで西方方面に移動中です。

 市民の皆様、都市内の防疫機構は充分に機能しておりますが、万が一二備えてギアを外さぬようご注意ください。

 半径五〇キロ圏内に敵影及び他移動都市の反応なし。

 予定通りならば、今より六時間後、ゴゴゴゴゴゴゴ、ピーガガガガガっ!

 飛翔体警報!

 推定時速マッハ二の飛翔体がパルテノペに接近しています。

 相対距離、一キロメートル!

 想定射出ポイントに反応なし!

 迎撃不能!

 市民の皆様は、慌てることなく最寄りのシェルターに避難して、避難してヒヒヒヒヒヒヒナナナ、ピイイイイイイガガガガガ、都市中枢部に突発音を確認、原因を特定、都市中枢反応炉の損傷を確認、エネルギーライン途絶、移動機能及び、防疫機能が停止します。

 サブシステム起動、システムエラー、起動できません。

 緊急マニュアル三四条G項が発動します。

 市民の皆様は自己防衛・自己防疫を心がけてください。


          ※

 はい、始まりましたカクヨムコン11!

 今回の舞台は地球とは別惑星。

 総合エンタメのSFで参戦!

 応援・レビュー・ブックマーク・星、気になったら遠慮なくどうぞ!

 執筆、加筆の励みになります!

 12月1日の時点で10万文字規定はクリアの完結済みとなっております。

 まったりゆっくりお付き合いくださいませ。

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