第11話 町の名物

ギルド職員に案内され解体所に着くと、筋肉もりもりの男たちが刃物をもって魔物を解体していた。


「ボルツさん、獣の買取ですが、数が多いのでこちらに直接案内しました。」


「了解。」


「獣を出してくれ。」


リルはクレージーボアを13匹、解体所に並べた。


「おー状態がいいな。

 すべて首の頸動脈がバッサリだな。

 それに収納バックを持ってるのか。

 査定するから待ってくれ。」


「お願いします。」


「状態が良いから、1匹50,000ゼルでどうだ?」


「はい、それでお願いします。」


「13匹だから、65万ゼルだ。

 金貨6枚と銀貨5枚になる。

 この査定証明書を持って、ギルドの精算カウンターに出してくれ。」


「ありがとうございます。」


「また来てくれ。あんた名前は?」


「リルです。」


「俺はボルツだ。じゃ、またな。」


リルは査定証明書を持って、ギルドの受付まで戻り、精算カウンターの受付に証明書を手渡す。


「少々お待ちください。」


「お願いします。」


「お待たせしました。こちらになります。ご確認ください。」


「確かに。ありがとうございます。」


「それと冒険者ランクですが、リル様はCランクと決定しました。

ギルドカードのデータは更新済みですので、よろしくお願いいたします」


「わかりました。」

リルはあまり冒険者のランクには興味ないので、適当に返事する。


「さて、サシャ、ご飯食べに行こう。」


「はい。」


リルは、サシャを連れて、海岸方面へ向かう。


飲食店街に入ると、「海の彩亭」という名の店に迷わず、入店する。


「いらっしゃいませ。何名様ですか。」


「2人です。アジフライ定食を二つお願いします。」


「かしこまりました。お好きなお席にお座りください。」


リルはサシャを伴ってお店の奥の席に座り、サシャに話しかける。


「ここはね。昔、サーシャとよく通ったお店なんだ。

 昔は人化できなかったけど、お店の人が店内で一緒に食べることを許してくれてね。

 この店のアジフライ定食は絶品なんだ。

 初めて食べた時に一度で虜になっちゃって、この町に来るたびに「海の彩亭」へご飯を食べに行こうとサーシャに強請ったもんさ。」


「アジフライ定食、楽しみです。」


「お待たせしました。」


「うわーフライが3本もあります。私食べきれるかな。」


「残したら僕が食べるよ。

 ちなみにパンは3個までおかわりできる。さあ食べよう。」


こうして二人はアジフライ定食を満喫するのだった。

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