舞台袖から、司会者の神崎真が姿を現した。暗紫色のベルベットのスーツは、まるで凝固した血液のようだ。

　　彼はすぐには熱心に観客に挨拶せず、まずその両眼で、ゆっくりと観客席を見渡した。

　　場内の雑音は、彼の無言の視線の中で、速やかに静まっていく。

　　「こんばんは……私の子羊たちよ」

　　「歓迎せよ、我が領域――『真実の牢獄』へ」

　　彼の声は次第に高まり、一種の狂信的な宣言の感覚を帯びていた。

　　「ここでは、涙を信奉せず、ただ一つのものだけを崇拝する――真実を。

　　血まみれの、全ての偽装を剥ぎ取られた、醜くも美味なる真実を！」

　　「この『真実』をもてなすため、最高級の饗宴を準備した」

　　彼は横を向き、私の背後、舞台右側の巨大な機械を指さした。

　　「この機械は、鼓動の震え一つ一つを監視する」

　　今度は反対側に向き直る。

　　「そしてこのお方は微表情の専門家、筋肉の痙攣一つ一つを解析する。体は口よりも誠実なのだから」

　　彼は猛然と観客席の方へ向き直り、身を乗り出した。

　　「そしてあなた方、愛しき観客諸君！あなた方がこの儀式の陪審員だ！あなた方の手にある投票器が、我々が今夜、彼の魂のどの傷口に、さらに塩を塗り込むかを決める！」

　　「人類は『愛』という言葉で私欲を粉飾し、『青春』という言葉で笑えるほどの後悔を包装する。実に詰まらない嘘だ」

　　「しかし今夜、とびきり特別な『客』をお迎えしている。森山啓氏、恋愛経験は一度もないが、三人の女の子を追いかけた経験を持つ……童貞聖人である」

　　ドーン

　　冷たい白色の灯光が私を照らす。嘉宾席に座る私は、まるで尋問室の強いライトを前にしたかのようだ。

　　神崎は私の周りを一周し、審査するような視線を隠そうともしない。

　　「ご覧あれ、この標準的な迷い、不安、そしてほんの少し……憐れな期待感」

　　「森山君、君は誤解しているかもしれないな。ここは君がロマンチックなストーリーを語る茶館ではない」

　　「ここは解剖台だ。そして君は、その上に縛り付けられたカエルである」

　　「私は質問をメスとする。皮膚を剥ぎ、筋肉を断ち切り、跳動する、誰にも言えない秘密を隠した君の心臓を……」

　　彼はわざとここで間を置き、場内の息をのむような静寂を愉しむ。そして、無比の灿烂たる、しかしぞっとするような微笑みを浮かべた。

　　「……ずぶずぶと引きずり出し、このスポットライトの下に置き、全ての人に見せ、批評させ、さらには……嘲笑ってもらおう」

　　彼はばっと背筋を伸ばし、両腕を広げ、熱狂的な観客に向かった。地獄の式典を告げる司祭の如く。

　　「さあ、儀式の始まりだ！彼の最初の哀鳴が、どんなものか、聞かせてもらおう！」

　　耳をつんざくような警報音が突然響き渡り、スクリーンに最初の血のように赤い問題が飛び出した。

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