薄紅と紫の境界
ほんのりと色づく景色
移り変わる時間のなかで
薄紅と紫が溶け合う、その境界
そこに立つと、自分がどちらに属しているのか分からなくなる。
憧れか、現実か。
子供か、大人か。
ただ、色が混じり合う。
薄紅は甘く切なく、紫は深く優しい。
その間で、少女は立ち止まっている。
誰かが、名前を呼んだ。
振り返ると、そこには確かに誰かがいる。
けれど、その声は二つに聞こえた。
届かない方から。
それとも、手の届く方から。
その境界に立つ者だけが選ばなければならない、
どちらかの呼び声。
やがて、色は完全に溶け合い、
クリームソーダのグラスは空になる。
境界は消える。
けれど、グラスの底には、
まだ薄紅と紫の甘さが残っている。
叶わないと分かっていた色と、
受け入れた色が、静かに混ざり合ったまま。