古ぼけた「のりもの」の視点で描かれる出来事が、静かでやさしい時間として心に残りました。説明しすぎない描写の中に、待つことや一緒に進むことへの想いがにじんでいて、情景を思い浮かべながら読んでしまいます。読み終えたあと、余韻とともに温かな気持ちになる一編でした。