第23話 彼女たちに

「いやぁ~っ!王都なんて久しぶりぶりだなぁ~っ!!」


「.......」


俺は正直こいつと一緒なんて嫌である。

だってさっきまでこいつと殺し合いをしてたんだぞ? しかも、俺はこいつを殺したと思ったんだが......


「待て.....よ?」


こいつと居たら死ねなくね??

いやいや───めちゃくちゃ困るんだが。


「てかなんで王都に居るんだよ......っ」


あぁ、もう。

理解不能なことがここ最近で起こりすぎだ。


頭がこんがらがってしまう。


「と、とりあえず.......」


こいつから離れないと。

……じゃなければ、死ねない。


「とは言っても」


どうせこいつは死神とやらだろうから、不死だろうな。んじゃあ、天界へ行くのは......不可能?


「おい、リア」


俺は名を呼ぶ。


「ん~っ?」


やっぱりこいつ俺と戦ったことを忘れてんのか?

切り替えが早いとか言うレベルじゃないだろ。


「俺、死んでいいか?」


「私が引き連れるけど?」


「引き連れるって?」


「私の世界に」


「それは.....天国じゃ」


「───ないよ?」


ですよねー。

知ってた知ってた。


それじゃあ、どうやって?


「どうやって天国へ行けばいいって?」


「あ、ああ」


なんで分かるんだ?


「そら、死神ですから」


「んー、なるほど?」


分からんが、分かった。

まぁ、分かる分からないとか関係ないな。


今はとりあえず天国へ行かなければ。


「アルト.....だったよね?まぁ、原石を持って天国へ行くっていうのがそっちの目論みだと思うんだけどさぁっ~、それ、不可能だよ?」


「───は?」


「普通に考えてみてよっ!私たちが今いるここと、アルトが帰らなければ行けない所とでは、概念も何もかもが違うよね?」


「......ああ」


「だから、不可能なの。持って帰るのは」


それじゃあ、女神様が持って帰ってこいと言ったのは.......どういうことだ?


「ただ単に追放したかっただけじゃないの~?」


「よくまぁ、そんな簡単に言ってくれるな」


「でも.....これは私の憶測でしかないから、確定とまでは行かないんだけどね?」


「いやその前に.......なんで俺を死なせてくれないんだ?」


「んーとね......」


「っ」


唾を飲み込む。

なんか、緊張してくるぞ。


「面白いから」


「.....へ?」


「単純だよ?だって面白いじゃんっ!天国に行くことしか考えてない人間なんてっ!あははっ」


拍子抜けした。

たったそれだけの理由で俺を帰してくれないのか?


「まぁ、飽きたら死んでいいからさ~」


なんなんだこいつ。


「あ、今なんなんだこいつって思ったよねぇ~?」


「......」


逃げたい、本当に。

めんどくさいとかの域じゃないだろ、これ。


「はぁ.......1つ、お前に聞きたいことがある」


「あのさ~、お前っていうんじゃなくて、リアって言うなら聞いてあげるけど?」


はあああああああああ。

こいつめんどくせええええ。


「リ、リア.....聞きたいんだが.....」


「うん。なに?」


「なんで俺らはここに居るんだ?」


「それは......」


拳を顎に付いて考えるような仕草をする。

───こいつ考える事ができるんだな。


「むっ.....まぁいいや。普通に───」


不機嫌そうな顔を一瞬したが、本題を言うために顔を戻した。


「普通に......?」


使


……テレポート魔法、だと?


「確か.....」


ゲームではレベルが90になった時にやっと解放できる物なはず。


「それじゃあ.....」


レベル90以上で、俺と関わりがありそうなやつ───あ。


「やばい」


やばいやばいやばい。


───本当にやばいかも。


「テレポートって......使えんのはあいつしか居ねえ....よな」


寒気がする。背筋が、凍る。


また、監禁されるようなことがあったら、次こそは......逃げられない。


「これは、あいつの手中なのか?」


なぜ、わざわざ王都へ?

なぜ、俺を監禁しない?


「クソっ」


本当に分かんねぇよ。おい。


「まぁ、分かることは......」


既に、


彼女たちに、








居場所がバレているだろうということだ。


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────────────次回は、「逃げられないよ」です。

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