機械化が進み、ロボットが導入され様変わりしていく工場現場。
瞬く間に進化が進む人工知能、頭脳労働がAIに置き換わるのはそう遠くない将来かも知れません。
ここまでは今日、2026年の社会における現実です。
そして――
この物語の舞台は2061年。
遠いようで近い未来。
ジハンキの前に長蛇の列ができています。
ジハンキは自動販売機の略ではありません。
ジハンキは自動繁殖阻止機の略です。
俗称『ジハンキ』と呼ばれる自殺専用機。
(自殺専用機をそれこそコインを入れて飲料が買える機械と同じ略称にするセンスにまず脱帽)
そんなものがもてはやされる未来なんてあるが訳ない。
2061年という絶妙な時代設定に、そう完全否定できないのではないかと思ってしまう距離感を感じさせてくれます。
ネタバレしたくないのでこれ以上多くは語りません。
少し刺激が強いので、心の準備をしたうえで、是非読んでいただきたい小説です。
「これは誰も救われない物語」——
キャッチコピーの通り、ここに救いは一切ありません。希望もありゃしません。あるように見えてもしっかり丁寧に鮮やかに潰されます。
不穏ではありますが、「序章」が一番平和なお話です。
こうして絶望に満ちていることが、レビュータイトルに「一日一話」とつけました理由です。それ以上は、少なくとも私には耐えられないので。
とにかく徹頭徹尾 絶望を植えつけにきます。痛々しい強烈な描写、展開もありますが、紹介文にある作者さまの言葉通り「オブラートに包んで、ふんわりさっくりとソフトに」されていますので、……よほど苦手でなければ大丈夫かなと思います。
尤も、この「オブラート」がびっくりするくらい溶けない むしろ毒みたいなもので、とんでもなく息苦しくなるのですがね。
強烈な作品をお探しの方はぜひこちらを。
この作者さまが明るく愉快なお話まで書かれるのですから、本当に恐ろしいです。
その明るく愉快な作品で作者さまと初めましてをした私はもう……ええ、大変です。