古びたの箱ヘルに突撃してみる

「ここがこの町にある唯一の箱ヘルか……」


 事前に調べておいた過疎町の箱ヘル前に到着した。想像よりもかなりボロボロな外観をしている。


 この箱ヘルはナース嬢とイチャイチャするというコンセプトらしいので、外観はちょっとだけ病院っぽい感じになっている。嬢も皆セクシーなナース服のコスプレをしているらしい。でもこんなボロボロな箱ヘルだと確実に地雷嬢しかいなそうだ。


 まぁでも9ちゃんの安価で決まったからには行ってみるしかない。俺はさっさと箱ヘルの自動ドアを開けて中に入った。


「いらっしゃいませー。ご予約はされていますか?」

「予約はしてない。初めてだ。若くて可愛い子とか空いてるか?」

「初めてのご利用ありがとうございます。若くて可愛い子ですね。それでしたら今は……こちらのリリちゃんが今すぐ案内出来ますが、どうでしょうか? 22歳の可愛い女の子ですよー」

「そうか。それじゃあその子で頼む」

「はい、かしこまりました。それでは60分5000円となりますが、ご新規様には年末キャンペーンという事で30分の追加サービスをしております。ですから本日は90分5000円での案内となります」

「へぇ、それは得したな。それじゃあほらよ。5000円」

「はい、ちょうど頂きました。それではすぐにご案内させて頂きますね……はい、リリちゃんのスタンバイ完了です。そちらのドアの前にリリちゃんが既に待機しておりますので、楽しんで行ってらっしゃいませー」

「わかった」


 流石は場末の箱ヘルだ。すぐに嬢がやって来てくれたようだ。さてさて。それじゃあこのド田舎の嬢はどんな感じか――。


―― ガチャッ


「いらっしゃいませー。お兄様、今日はご指名ありがとうございますー♡」

「……おぉ」


 ドアを開けるとそこにはナース服のコスプレをした若い嬢が立っていた。確かに可愛い。それに年齢もまさしく22歳前後だと思う。ド田舎の風俗なのに年齢詐欺せずに実年齢で嬢がやってくるなんて凄いな。


 しかもスタイルも抜群に良い。お腹周りはほっそりとしてるのに胸はしっかりとある魅惑的な体系をしている。こんな大当たりな嬢がいるなんて凄いな……!


「あれれー? どうしたのお兄様―? リリの事をじっと見つめたまま固まっちゃってるけど、もしかして緊張しちゃってるのかなー?」

「あぁ、いや、何だかかなり可愛い子が相手してくれると思ったら嬉しくなってさ。こんな可愛い子とイチャイチャ出来るなんて最高だな」

「あははー、そう言ってくれるなんて嬉しいなー。それじゃあそんな優しいお兄様には……今日はいーっぱいサービスしてあげるねー♡」


―― ぎゅっ……


 そう言って嬢は俺の身体を優しくぎゅっと抱きしめていってくれた。ふくよかな胸が俺の身体にぎゅっと当たっている。凄く柔らかくて最高に嬉しい気持ちになる。


「おう。それじゃあ今日は沢山楽しませて貰うとするかな」

「うん。いっぱいサービスしてあげるねー♡ ふふ、それじゃあこっちの部屋だよ。ついてきてー♡」

「あぁ、わかった」


 という事で俺はその嬢と一緒に手を握りながらプレイルームへと移動していった。こんな可愛い嬢と対戦するのは久々だから凄く興奮するな。


◇◇◇◇


 それから40分程が経過した頃。


「ふふ、お兄様……すっごく気持ち良かったよー♡」

「はぁ、はぁ……やっばい……俺もすげぇ気持ち良かったわ」


 プレイルームの中。俺は嬢のリリと一緒に裸になってベッドの上で横たわっていた。


 リリの超絶テクによって俺はこの短時間で既に二回も射精していた。こんなにも気持ち良いサービスを受けてたったの5000円なんてヤバ過ぎる。


「はぁ、はぁ……いやマジで最高だった。めっちゃ気持ち良かったよ」

「ふふ、そう言って貰えてリリも嬉しいよー♡」

「あぁ、本当に良かった。でも良いのか? 本番までしちまって。箱ヘルだから本番って普通禁止なんじゃないのか?」

「大丈夫だよー。だってお兄様は優しくてカッコ良いしー……♡ だからリリもお兄様とエッチがしたいなーって思ったからしちゃったんだ♡」

「はは、お世辞でもそう言われると男としては嬉しい限りだな」

「ううん、お世辞じゃないよ♡ それにお兄様とのエッチすっごく気持ち良かったよ♡ 久々にリリも本気でイっちゃったし……ふふ、お兄様はエッチが凄く上手なんだね♡」

「そっかそっか。リリも気持ち良くなれたのなら良かったよ」

「うん、本当にすっごく気持ち良かったよー♡ だからもっとエッチしたいんだけど、でもちょっと疲れちゃったし、今から一緒に休憩にしよーよ♡」

「わかった。俺も二回も出して疲れたし、ちょっとだけ休憩させてくれ」

「うん、それじゃあ一緒に休憩しようね。あ、お兄様はタバコ吸う? 吸うようなら灰皿出すよー」

「あぁ、それじゃあせっかくだから吸おうかな」

「うん。わかった。それじゃあはい、灰皿とライターをどうぞー」

「ありがとう。それじゃあ……」


―― シュボッ……


 俺はリリに断りを入れてから早速タバコを吸い始めていった。最高のセックスの後のタバコ程美味いものはねぇよな。


「ぷはぁ……最高だな。こんな気持ち良いセックスが出来てタバコも吸えるとか最高過ぎる」

「ふふ。喜んでくれて良かったー♡ あ、そういえばお兄様ってここら辺の人じゃないよね? お兄様は観光客かな?」

「ん? あぁ、そうだけど。でも何で俺がここら辺の人間じゃないって思うんだ?」

「あはは、だってこんな田舎町なんだから、一度も会った事がない人がいたら、そんなの観光客かなーって思うのは当然でしょ?」

「なるほど。まぁ確かにそうだよな。人口の少ない町だから知らないヤツがいたらよそ者だってすぐにバレるのか。でもそういうってことは……もしかしてリリはこの町の人間なのか?」

「そうだよー。生まれも育ちもずっとこの町だよー」

「へぇ、そうなのか。でも自分の住んでる町で風俗嬢をするって身バレの危険性とかあるんじゃね? そういうの大丈夫なのか?」

「うん、大丈夫だよー。この風俗を使う人って基本的に県外から来るお客さんしかいないからね。町に住んでる人も高齢化社会? ってのになってるから風俗利用する町民はゼロ人なんだよ」

「ふぅん、そうなんだ。まぁ身バレとかしないようなら地元の風俗で働いてても良いのか」

「うん。そうだよ。それで? お兄様はこの町には観光で来たの? それとも他の用事でもあったとかー?」

「まぁリリの言う通り俺は観光客みたいな感じだよ。今朝にこの町にやって来て、それで今まで桜木山を登ってたんだ」

「……桜木山に行ってたんだ? この町に来てからお兄様はすぐに桜木山に行ってたの?」

「あぁ、そうだよ。さっきまで桜木山に行ってたんだ。それで今さっき下ってこの箱ヘルに来たんだよ。山登った後すぐに風俗に行くなんてきっと俺くらいだろうな。あははー」

「へぇ、そうなんだ。でも県外から来たお兄様が桜木山になんて何の用事があったのかな? あの山は別に何の特徴もない普通の山だよ? 登山するにしてもあんなちっちゃな山を登っても気持ち良くないでしょ? それなのにお兄様は一体どんな理由で桜木山に登ったのかな? もしかして何か理由があったんじゃないのかな? ねぇねぇ、お兄様。何で桜木山になんて登ってたのかなー? その理由をリリにも教えてよー?」

「ん?」


 さっきまで桜木山に行ってた事を伝えると、リリは少し早口になりながらそんな事を尋ねてきた。


 それに何だかちょっとだけリリの雰囲気が変わった感じがするんだけど、一体どうしたんだろう?


「いや登山目当てに桜木山に行った訳じゃない。あそこの山頂の社にあるじゅ……じゃなくて、祈祷師に会いに行ったんだ」

「……祈祷師?」


 俺はリリに桜木山に登った理由を答えていった。でも呪術師って言うと変なヤツに思われるかもしれないから祈祷師と言い換えておいた。


「そうそう。祈祷師が桜木山にいるって聞いて登ってみたんだ。あ、そうだ。せっかくだからこの町出身のリリに聞きたい事があるんだけどさ、この町に祈祷師がいるって噂をリリは知ってるか?」

「……ふぅん、祈祷師ね……ふふ。ぷ、ぷはは、お兄様―、もしかして祈祷師を尋ねにこんな辺鄙な町にやってきたのー??」

「あぁ、そうだよ。でもそんなに笑うって事は……もしかしてリリは祈祷師の事を知ってたりするのか?」

「うん。知ってるよ。あの桜木山の社で働いている人でしょ? 神主さんだか住職さんだかわからないけど、まぁ山頂で働いている人がそう名乗ってるのは知ってるよ。昔からボッタクりの祈祷代を請求してくる悪徳なインチキ祈祷師って事で有名な人だよ。だから子供の頃から桜木山には近づかない方が良いって言われてるんだよ」

「あ、そうなのか。なんだよ。町民からはインチキ野郎って言われてるのか。それじゃあアイツに依頼をしたヤツとかっていないのか?」

「さぁ、そこまでは知らないよー。でも町にいる私くらいの若い子達で祈祷を依頼した人はいないんじゃないかな。かなり高額なのに効能もあるかわからないから完全にインチキだって言ってるし。だから町の若い人達はあの祈祷師と話したりなんて全然してないんだよ」

「そうなのか。まぁやっぱりそうだよな。普通に考えて祈祷師なんてインチキに決まってるよなぁ……」

「うん。そうだよそうだよ。それにしてもこんな小さな町の祈祷師の事を知ってるなんてお兄様凄いねー。でもこの町にインチキ祈祷師がいるなんて悪評が広まったら、ただでさえ過疎町なのにさらに過疎に繋がっちゃうからあんまり噂を広めないでよー? リリの大好きな出身町なんだから悪評とか広げたら泣いちゃうからねー?」

「あぁ、わかってるって。リリを泣かせる訳にはいかねぇよ。そもそもこの町にこんなにも可愛い嬢がいる風俗があるなんて誰にも教えたくねぇし。だから今日ここに来た事は誰にも言わねぇって」

「えー、本当!? お兄様みたいなカッコ良い男の人に可愛いって言われて嬉しいな。ふふ、ありがとうお兄様ー♡ あ、それとね、その祈祷師の事を調べようとすると不幸な目に遭うらしいから……だからあんまりその祈禱師の事を調べたりしない方が良いからね?」

「不幸な目? 一体どういう事だ?」

「うーん、わからないけど。でも子供の頃からよく言われたんだ。あの祈祷師周りの事を調べちゃ絶対に駄目だって。調べたら不幸になるから絶対に調べちゃ駄目なんだってさ。だから桜木山にも近づかない方が良いって言われてるの。という事で兄様もあんまり調べない方が良いと思うよ。もしもこんな素敵なお兄様が呪われちゃったりしたらリリはすっごく悲しいよぉ……」

「ふぅん。それは怖い話だな。まぁ別に俺は祈祷師を調べにこの町に来た訳じゃねぇからな。だから色々と調べたりなんてしないから安心してくれよ。ってかそんな調べる時間あったらリリとイチャイチャしたいに決まってるしな」

「えー、嬉しいー! リリもお兄様ともっとイチャイチャしたいよー♡ よし、それじゃあそろそろ休憩も終わりにして……ふふ、そろそろ三回戦目をやろーよ♡」

「ん、そうだな。まだ時間も残ってるし、それじゃあ三回戦目はリリに全部任せても良いかー?」

「うん。まかせてー♡ お兄様の事をとーっても気持ち良くしてあげるからねー♡ ふふ……♡」


 という事で俺達はそれから三回戦目を行っていった。リリはタイムリミットが来る最後まで気持ち良くしていってくれた。こんなにも当たりの嬢を引けたのは生まれて初めてだ。

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