教室の中の牢獄

樫木佐帆 ks

思いの呪縛

運命の赤い糸を切れなかった

単なる小指と小指の糸

しかしそれは指輪よりも束縛される

言わば思いの呪縛なのだ

この指の糸を束ねて

君の首を絞め殺せたら

それは愛の証明なのだろうか?

人は一人で死んでいくものだから

誰かに殺されるのは確かに愛の形でもある

縁は見えない

触れることも出来ない

ならば物理的な糸が最も誠実ではないか

そう思いながら君を見る

君はアイスクリームを舐めている

ほっぺたにアイスが付いている

夏だから薄いワンピースを着ている

舐めながら少し笑う

僕はまだ君を殺せないと諦めるのであった

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