告白

深夜二時。

僕はnoteを開いて、タイトルを打ち込んだ。

「告白」

そして、すべてを書いた。

AIを使っていたこと。推敲だけでなく、プロット作成にも使っていたこと。もう、自分だけでは何も書けなくなっていたこと。

指が震えていた。しかし、書かなければならないと思った。このままでは、僕という存在が完全に消えてしまう。

投稿ボタンを押す。

取り返しのつかないことをしたのかもしれない、と思った。

翌朝、起きたときには、すでに炎上していた。

「詐欺じゃん」

「裏切られた気分」

「フォロー外すわ」

しかし、意外なコメントもあった。

「編集者だって作家の原稿に手を入れるよね? AIも同じでは?」

「使ったことが問題じゃなくて、隠してたことが問題」

「正直になってくれてありがとう。これからも応援する」

「時代は変わってる。みんないずれAI使うよ」

賛否両論。

誰も、「正解」を持っていなかった。僕も、持っていなかった。

ただ一つだけ、わかったことがある。このままでは、僕は消えてしまう。虚像の中に埋もれて、二度と戻ってこられなくなる。

それだけは、避けなければならなかった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る