分からない…だからこその運と怪。

嘗て通っていた女子高に『ガチャ立て』と
呼ばれる傘立てがあった。それは、至極
普通に学校生活の日常に溶け込んでいて
誰もがちょっとした注意こそすれ、普通に
受け入れていてのだ。
『ガチャ立て』は、まさにガチャだ。
そこに傘を入れておいて、いざ使う時に
アタリを引くと……何故だか

  お化けがでる。

そして当たりを一度引いたらもう出ない。
それは周知の事実である。

この掌編の品の良さと、可笑しみに
持って行かれる。お化けは怖いけれども
お祓いをしようという話も出ない。

 只、そこに在る。

由来も因果もわからないけれど。

 さて、この『ガチャ立て』で当たりを
引いてしまった主人公。そして、その後の
『ガチャ立て』の顛末は…。


ほんの少し切なくもある。

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