点数換算
各科目、オーバーオールスコアともに、IELTSの成績は前述のとおり最高で9点満点である。この9点というのはネイティブでも一定以上知能指数が高く、且つ一定程度以上の高度な教育を受けている人物でないと叩き出せない成績であり、基本的には7.5あればネイティブのケーキが切れない人レベル・・・ということになってくる。
ネット上で公開されている各換算表は作成法人に関係する人物がそれぞれのテストを受験し、その成績を統計的に処理して作られることが多いため、母集団によりばらつきがある。そのため、ここではそういった不確実性を省くため、IELTSの主催団体であるブリティッシュカウンシルと、TOEICの国内公式実施団体である国際ビジネスコミュニケーション協会、そして英検の主催団体である実用英語検定協会の公開している各テストのCEFRレベル(語学力を評価する国際指標として最もよく使われている基準)をベースに考え、これらのデータを引用しながら筆者の方でエクセル解析し、まとめた結果を紹介したい。なお、TOEICに関してはリーディングとリスニングの合計点で記載している。
■IELTS:8.5-9.0(CEFR:C2)
TOEIC:換算不能
英検:1級を余裕で合格できるレベル
■IELTS:7.0-8.0(CEFR:C1)
TOEIC:945~満点
英検:1級合格レベル
■IELTS:5.5-6.5(CEFR:B2、筆者の語学レベル)
TOEIC:785~944点
英検:準一級合格レベルのうち、運が良ければ一級にも合格する可能性があるレベル
■IELTS:4.0-5.0(CEFR:B1)
TOEIC:550~784点
英検:二級合格レベルのうち、運が良ければ準一級にも合格する可能性があるレベル
■IELTS:3.5以下(CEFR:A2ないしA1)
TOEIC:120-549点
英検:準二級、準二級プラス合格レベル以下
全体としてIELTS→TOEIC→英検の順にテストとしてのレベルは低下する。IELTSはTOEICや英検では正確に判定できない高度な英語力も比較的細かく判定できるものの、英検の得意とする初級学習者の学習到達度の判定は聊か苦手である。
もともとアメリカ英語は「難解な動詞を避け、”get”、”take”、”bring”、”go”などの単純な動詞に副詞や副詞句をうまく組み合わせて熟語を形成し、多用する」という特徴があり、イギリス英語に比べて難解な動詞が出てこない。イギリス英語で出題されるIELTSは、TOEICなどでは出題されないレベルの高い動詞が出題される可能性があり、イギリス英語で出題されるという時点で難易度は高くなりがちである。
とはいえ、「4科目すべての能力を試験する」「イギリス英語」「前述の独特のテーマ、思想設定がある」という特徴から、必ずしもこの換算の通りになるとは限らない。日本人の場合、学校教育を通じてアメリカ英語を基準に比較級などの表現を簡略化して構成した「受験英語」に慣れているため、TOEICや英検の方が点数はとりやすい傾向がある。逆に筆者の場合は中学時代の英語学習環境が日本人としては聊か特殊であり、「アメリカ英語にほとんど触れず、イギリス英語の教材のみで英語の基礎を習得した」ために、アメリカ英語特有の熟語表現やスラングといったものにほぼ無知であり、アメリカ英語のリエゾンやリンキングを多用する訛りにも耳が慣れていない。故にとりわけリスニングでの失点が嵩みがちである。また、IELTSは出題数が少なめで本文を熟読して正確に読解する能力を重視する傾向がある。そのため、時間がかかっても緻密に作業を進め、完成度の高い答案を出す者が有利である。一方TOEICはやたら多くの問題を脊髄反射的に高速で回答していく能力が求められる。追い立てられれば追い立てられるほど集中力が増してパフォーマンスが向上するという、日々競馬とパチンコに入り浸っては女郎屋でねーちゃんの尻を撫でまわしてイチモツを舐めてもらい、職場で上司にうまくゴマをすって大した能力もないのに出世するような大多数の日本人男性には向いているかもしれないが、「焦れば焦るほどミスをする」というそれとは真逆の性格をしている筆者には大変相性が悪いのである。したがって、筆者は自身のIELTSの成績から換算されうるTOEICの推定成績を実際に叩き出したことは、未だかつてない。逆に筆者の取得したTOEICの最高成績を換算したIELTSの推定成績は5.0以下であり、これは試験対策をまったくせずに初めてIELTSを受験した時に叩き出した成績(5.5)に満たない。
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