紅月の奇跡
亡久むふ
ハロウィン
「月が綺麗だな…」
ハロウィンの夜月が赤く染まっていた
そのせいかいつものハロウィンより人が集まっている
「残りは100円か…」
まともに菓子も買えない
街中ハロウィンだな…かぼちゃに仮装で賑やかだな
もう時間も時間で高校生以上の人しかいないな
それでも、出来れば関わりたくない
路地裏に入る小学生程度の子供がいる
流石にこの時間の路地裏は心配だな
仕方ない
「おい、そこの小学生なんでこんな時間に此処にいる?」
小「ママに…ママに会えるかもしれないの!」
「親に?親は家に帰らないのか?」
小「ママは、2年前にね天国に行っちゃったの…でも!ハロウィンは、死者の魂が来るって!」
「あぁそうか、しかたない!俺が一緒に探してやる」
小「ありがと!」
小学生と一緒に小学生の母親を探すことになった
色々な場所に行き探し回った
母親が好きだと言っていたらしい場所に、カフェ,公園,商店街,カラオケ,ケーキ屋,花畑でも何処にも母親らしき人の姿はなかった
小「ママ…どこにいるの…」
見るからに小学生の元気が無くなってる
「小学生、ちょっとここで待ってろ」
…少し経ち…
「ほらよ」
小学生にチョコを渡した
小「チョコだ!ありがと!おにいさん!」
「まぁハロウィンだしな…」
その後も街を一通り見て回った
でも、何処にもいなかった
「小学生…もう23時だ諦めたほうがいい」
小「きっと会えるの!探そ!もっと!」
もう無理だと思うがな…まぁいいか
周りに黒猫や鴉、白蛇が集まって来た
そして俺達の前を白猫が走っている
………あっ!
「おい、小学生!あの前を走ってる白猫を追いかけるぞ!」
小「へ…?う…うん!」
墓地の中心、地面の色が一箇所違う場所で白猫は止まった
そこには女性が立っていた
小「………」
小学生は立ち止まり黙っている
「違ったか…また振り出しか…」
小「違くない!ママっ!」
小学生は母親に抱き着こうとしたでも相手は幽霊だ…
小学生は涙を堪え母親に話しかける
小「…ねぇママ、やっと会えたね、私ね2年前からね、ずっと探してたんだ会えて嬉しい!」
母親は、一言も話さない
小「ママ…?」
「母親は幽霊なんだ…もしかしたら話せないのかもしれない」
小「そっか……ねぇママ私そろそろ帰らなきゃ、また来年も再来年もずっと来るからね」
母「最後に一つ言わせて欲しい」
小「へ…?喋れるの?」
母「喋ったらママはねもう此処に来れないでも、これだけは伝えたいの、大した事じゃ無いけど」
小「なに…ママ?」
母「良く聞いててね、出会いもあれば別れもあるのだからママとの別れも、素直に受け止めて欲しい、探さなくていい…悩まなくていい…勿論ずっと覚えてて欲しい…」
小「もちろんだよずっと忘れない!」
母「でも、れなの想いと自分自身は大切にして、たとえ嫌な想いをしても、それをすぐ捨てないで、頼れる誰かに相談してみな…きっと幸せになれるから…」
小「うん…」
母「勿論!喜怒哀楽も恋心も忘れちゃ駄目だよ!感情にも恋心にも素直にね」
と言い残し母親は消えていった
小「ママ…」
時刻は0時になった
小学生の家の前
「じゃあ俺は帰るから…」
墓地から出た頃から小学生は一言も話さなかった
小「あの!」
「なんだ?」
小「今日は、月が綺麗ですね!」
紅月の奇跡 亡久むふ @ama-momoe
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