第二十九話
するとタキマさんから、声をかけられた。
「さあ行くぞ、人間の小娘。
「は、はい!」
「うむ。それでは俺に、ついてこい」
「は、はい!」
そうして歩き出したタキマさんの
ドワーフはシカやイノシシを食べるらしいから、それを狩りに行くんだろう。すると森に入る前に、タキマさんは立ち止まった。あれ、森には入らないのかな? と疑問に思っていると、タキマさんは葉っぱを地面に置いた。
そしてその上に、何かを二つ置いた。そして更に葉っぱの周りに、小さな
「人間の小娘。お前もやれ」
「は、はい」
と返事はしたものの、何を祈ればいいのか分からなかったのでタキマさんに聞いてみた。
「あの、タキマさん。何を祈ればいいんですか」
「うむ。これから俺たちは、シカとイノシシを狩りに行く。だからまず森の神に、これから森に入らせていただくと
な、なるほど……。なので私も地面に跪いて両手を胸の前で組んで、祈った。森の神への挨拶と、狩りの無事を。それが終わると私は、疑問をタキマさんに聞いてみた。
「地面に置いたのは、何なんですか?」
「うむ。シカとイノシシの、
「な、なるほど……」
そうして祈りが終わるとタキマさんはシカとイノシシの干し肉を回収して、森の中に入って行った。私も
「しっ」
なので私は、その場に立ち止まった。そしてなるべく、音を立てないようにした。私には見えないが、おそらくタキマさんはシカかイノシシを見つけたんだろう。
するとタキマさんは持っていた両刃の
タキマさんがその方向に向かったので、私はその後を追った。するとそこには首を
「やりましたね、タキマさん!」
するとタキマさんは、再び人差し指を口に当てた。
「しっ」
どうやらタキマさんは、また
私とタキマさんが行ってみるとそこには、首を斬られたイノシシがいた。うーん、なるほど。首が縦に伸びているシカには、斧を水平に投げて斬る。そして首が前に付いているイノシシには、斧を縦に投げて斬るのか。
そうして更にタキマさんは、シカとイノシシを一匹づつ狩った。こうしてシカとイノシシを二匹づつ狩ったタキマさんは、森を出た。そしてやはり、祈りの儀式が始まった。
タキマさんは狩ったシカとイノシシを地面に置くと、その周りにワインをまいた。そして地面に跪いて、両手を胸の前で組んだ。少しすると、タキマさんは聞いてきた。
「人間の小娘。何を祈ったのか、分かるか?」
私は少し考えてから、答えた。
「えーと……。森の神に無事に狩りが終わったことと、シカとイノシシを狩らせていただいた感謝でしょうか?」
するとタキマさんは、
「うむ、その通りだ。さあ、お前もやれ」
「はい」と私も森の神に、祈りを捧げた。
そしてシカとイノシシを
「おお、タキマさん。今日もやりましたね、お疲れ様です」
「うむ。いつも通り、料理を頼む」
「はい」
と二人のドワーフはタキマさんからシカとイノシシを受け取ると、家の中に入って行った。なるほど。今日の料理は、シカとイノシシか。と考えているとタキマさんは、再び歩き出した。
その後を追いながら、私は考えた。ドワーフが
でも狩りをする前や後に、森の神に祈りを捧げる儀式があるとは聞いてことが無い。だからおそらく人間は狩りをする時に、ずかずかと森に入って狩りをするんだろう。だから私には何だか、人間の方が蛮族に思えてきた。
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