魔法が繋ぐ家族の物語

@chabashira0216

第1話 任務

この世界は魔法が使える人と使えない人がいる。僕がいるこの国は、それで差別などは一切ない、

割と平和な方な国であろう。

だがそんな国であるトラブルが起こった。

機密情報だから教えることはできない、

ただ国のトップが指名手配になるほどのトラブルが起こった。


ガチャ、

「フウラ・カトニック召喚に応じ、参上致しました。」


僕はフウラ・カトニック、国を裏で支えてる組織の幹部である。僕は特に魔力が多いわけでもない、だが何故か幹部まで昇格した。

それにはわけがあった。簡単な話だ。

"使える魔法が卓越している"という所に上層部は目をつけたらしい。


僕の魔法は

陣を書き、その真ん中をトンっと指で軽く叩くと、僕の想像し得るもの

この世界に存在した龍や神、そんなものを召喚したり具現化する能力だ。

上層部によると、こんな能力はそうそう持っているものはいないらしい。


では生い立ちについて話そう。

僕はかつて4人家族だった。

だが、物心つく前に父は国から死刑を言い渡されるほどの犯罪を行い、国から死刑されてこの世にいない。

母は昔起きた戦争によって行方不明になっている。今は母のことを探しながら任務を行っている。

そして、唯一の兄妹、妹だ。

妹は訳あって魂だけが僕の中に入っている。

僕が意識を失ったり、自我が保てなくなった時、人格交代のように妹が出てくる。

妹はシエナという名前だ。

もしかしたら今後お世話になるかもしれない、覚えておいてくれると助かる。

そんな僕に任務が言い渡される


「今回、召喚を受けたのは何故でしょうか?」

お辞儀をしながら顔を上げ首を傾げる。

すると上層部のヤトさんがこちらを向いて

こう話した

「今回呼んだのは、今国の間で起きているトラブルに関することだ。

国のトップの3人が指名手配となった。

こうなった以上国を支える組織として動かない訳にはいかん。だがしかし、その辺の部下に頼んでその部下が任務を遂行して帰ってくるか怪しい相手だ。魔力の量は多い。

そんなわけで幹部である君を呼んだ。

指名手配、故、暗殺だ。

国からの命令は捕らえることではなく、

命諸共奪えとのことだ。どうだ、できそうか?」

覚悟が決まった目で

「はい。」

内容を把握したフウラは召喚術で3羽の鳥を

召喚させた。

不思議そうにみるヤト。

「その鳥は何に使うんだい?」

「この鳥は指名手配3人の追跡をさせます。

視界は共有したい時にできるので。見つけ次第任務を遂行します。」

そう言ってフウラは窓から鳥を放鳥した。

「では、僕は準備が整い次第、視界を共有させながら、指名手配犯を追いたいと思います。失礼します。」

そう言ってフウラは部屋を出た。

身支度を整え、使いの犬、ユウマに

「今から向かうから護衛を数名頼んだよ。」

そう言って自室から出た。



※使いの犬:ユウマ

真っ白な毛をしていて大きさはゴールデンレトリバーくらい、すごくモフモフふわふわしている。人語が分かるが話せない。

魔力で情報伝達を行っている。



街に出たフウラ、日差しを浴び少し眩しそうに顔をしかめる。季節としては春から夏にかけての間くらいだ。

街中を歩いていると、突然1羽の鳥と連絡が付かなくなった。

急いでその場所へ向かう。

そこには召喚した鳥の死体があった。

おそらくトップの誰かに追跡がバレたのだろう。ということはそんなに離れていないはず!

そう思い追跡に長けた魔力を探知してくれる犬と鳥を召喚し放つ。

その一部始終を見ていた男の子がこっちに走ってきた。

「もしかして、組織の偉い人!?オレね!魔法使ってるとこ見たこと無かったからさ!

お兄さんすげぇ!魔法ってこうやるんだね!なにかさがしてたの?さっきからずっとキョロキョロしてたし!」

悩んだ末、見た目の特徴だけ話したフウラ。

すると少年は

「さっきあっちに歩いていったよ!ほらさっきの犬と鳥が向かった方!

お兄さんの能力って思ったものを本物にできる能力なの?」

微笑みながら

「そうだよ」

すると少年は嬉しそうに

「じゃあさ!じゃあさ!教えた代わりにこれ!作ってくれない?!」

そう言って見せられたものは最近子供の中で流行ってる戦闘機のフィギュアだった。

話によると売り切れたのだとか。

だから頼んできたのかな、そう思い

具現化して渡した。

「うぉおお!!すげぇ!!本物じゃん!!」

するとフウラは小さな声で少年に言う

「これは実際に小さな砲弾が出るようになってるから、友達に盗られないようにね。

それとお兄さんに教えてくれたお礼にここに連絡してくれたら戦闘機乗せてあげるよ。

特大サービスね?無くしちゃだめだよ?」

ニヤニヤと笑いながら

名刺を渡した。

「警備員さんとかに渡すとわかってくれると思うよ。教えてくれてありがとね、じゃあお兄さん急いでるから、またね。」

笑顔で少年に手を振る。

「ありがと!!!お兄さん!!!!またね!!」

少年は嬉しそうに手を振り返してくれた。

そしてフウラは真剣な目つきになり、

急いで指名手配犯の跡を追う。


何分ほど走っただろうか。

息絶え絶えになっている時、後ろから

聞いたことある声が聞こえた。いや聞こえたんじゃない。話しかけてきた。

「やぁ、久しぶりだね、フウラくん。」

そいつは紛れもない、追っていた指名手配犯の1人だ。

フウラは睨みながら

「そんなに気安く話しかけていいんですかね。僕に。あなた指名手配されているんでしょう?」

そう言いながら、魔力で剣を具現化させ、手に持つ。

すると、指名手配犯がそんなに焦らなくてもいいじゃないか、そんな顔で指を鳴らすと異空間に飛ばされた。

「ここなら邪魔にならんバレないしな。」

そうして攻撃してきた。

一瞬にして目の前に刃先が飛んできた。






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