第4話・知らないの、俺だけ?

 母が驚きのあまり、口が塞がってなかった。

 呆然とした後に、第一声が「何で?!」と叫んでいた。窓に向かって。

「そんなに有名なの?」

「お母さん世代には超有名人よ」

「へぇ」

謙人けんとはどうしたいの?」

「俺?」

「そっちの世界に興味あるの?」

「うーん…」

 ないと言えば、嘘になる。

「過去は興味あってやりたかった」

「今は?」

「今は興味本位である」

「何、それ…」

 母が笑ってる。

「一緒やん」

「一緒ちゃうよ」

「やりたいかやりたくないかって言ったらやりたいでしょ?」

「うん」

「一緒よ」

 最高にアホか。ウチの息子は。と言いながら、もうその名刺の連絡先に連絡してた。


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