幕間 愛と欲望の狭間

「場所を移さない?」


自分で言っておいて、胸が跳ねた。

こんなにストレートじゃ、求めているのが伝わるに決まっている。


でも、カナメは少し悲しそうな顔をして言った。


「……いいよ」


少し歩いて、二人でカナメの寝床に逃げ込む。

酔っているからだろうか。

恥ずかしさで、どうしても笑いがこみ上げてくる。


口づけは、甘美な味がした。

カナメの身体は想像以上にたくましくて、確かに「男」だと感じさせてくれた。


背中に回された腕の力で、どれだけ求められているのかがわかる。

このまま身体を重ねて、溶けてしまえたらいいのにと思う。




カナメ。




ねえ、カナメ。どうして……泣いてるの?




私は、ここにいるよ。




大丈夫。




これは、醜くなんてない。




白に溶けた世界でも、きっと残せるものがある。




それは、きっと次元すら超える。




“他人という宇宙”すら超えて、交信できる。




それが、愛するということだから。


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