わら人形って、呪いより、やってる本人の怨念の方が怖いよね! 絶対!

 ホラー主戦場の仁木一青さんの最新作です。評判よくて快調に★を伸ばしていますね。
 ホラー度は低め、どちらかというとコメディですね。

 主人公は、雨が降るたび、しょっちゅう傘を盗まれるのが悩みです。そんなとき、「そうだよ。傘を魔改造して、手にしたとたん不幸になるようにしちゃえ!」と、お寺さんの子に頼んで、怨念のこもった汚れたわら人形を譲ってもらいます。
 そこから、おとりの傘に呪詛の念を刷り込むのが、しつこくて、しつこくて、その信念の方が怖くなりました。恋人寝取られたんじゃないじゃないか! たかだか傘じゃないか! って思うんですけどw こういうの呪ってる本人が一番怖いですよね。
 
 その結果、ギャーっと不幸になる意外な犯人、そして「ご苦労さん」と傘をお寺に返したあとの意外なオチ。こりゃもう一生もんだよ。。

 ストーリーと構成の随所に工夫がみられて、楽しく読めました。
 みなさまも是非どうぞ!

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