魔王たちのウタゲ

楓林火山

比翼連理

モノローグ

 ネズミが丘から海を見下ろしていました


 その先にいたのは、どうやら泣いているらしいイルカ

 ネズミには水滴と涙の区別がつきませんでしたが、彼女の慟哭が泣いているのだと訴えています


 ネズミは聞きました




 どうして泣いているの?




 イルカは答えます




 死にたいけれど、独りは寂しいの




 ネズミは小さな頭で必死に考えました

 どうすれば彼女の孤独を取り払ってあげられるのだろう



 

 そうだ、僕が一緒に死ぬよ!




 答えは単純でした


 イルカはネズミの言葉を聞いても泣き止みません


 ネズミは助走をつけて飛び込みました


 イルカはいつのまにか泣き止んでいました


 ネズミはポチャンと可愛らしい音を立てて沈んでいきます


 イルカも共に深い底の底を目指すけれど、既にネズミは事切れていました


 イルカはまた泣き出しました


 彼女は叫びました




 どうしてみんな私を置いていってしまうの!

  

 



 

 

 

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