AI作家・藤堂アキラ

アキラはついにコンビニの夜勤を辞めた。彼の収入は、ノベル・アトラスの収益分配システムと、サイト内での投げ銭、そしてランキング1位という箔がついたことで発生した広告収入で、サラリーマンの平均年収をあっさりと超えていた。


アパートの一室は、最新型の高性能PCと、三面のモニターに囲まれた**「AI小説爆撃司令室」**へと変貌していた。


彼は今や、ノベル・アトラスの**「時の人」**だ。「藤堂アキラ」の名は、ランキングの常連となり、読者からは「38作品同時連載の鬼畜作家」「寝る間もないほどの執筆マシーン」などと呼ばれていた。


「ふふ、寝てないのはAIちゃんだよ」


アキラは優越感に浸りながら、AIとの共同作業を続けていた。


しかし、人気が高まると、必ず現れるのが**「敵」**だ。


掲示板やコメント欄には、アンチの声も増え始めた。


「こんな多作、人間業じゃないだろ。なんか裏がある」 「全部文章が似てるんだよな。テンプレートの寄せ集めみたいで気持ち悪い」 「最近流行りのAI生成じゃね?こんなんでランキング荒らすなよ」


特に、既存のトップ作家からの嫉妬や疑念は激しかった。


ある日、アキラのメールボックスに、ノベル・アトラスの運営から一本のメールが届いた。


件名:【重要】人気作家様へのお問い合わせ


本文:


藤堂アキラ様


日頃よりノベル・アトラスをご利用いただき、誠にありがとうございます。


この度、藤堂様の著書につきまして、他作家様及び一部読者様より「AI生成の疑い」に関する多数の報告が寄せられております。つきましては、一度、弊社編集部にてお話を伺いたく、ご来社をお願い申し上げます。


つきましては、来週木曜日の午前10時……


「来たか……」


アキラは冷静だった。いずれこうなることは予想していた。AI生成が、必ずしも規約違反ではないことは知っていたが、運営側に確認されるのは時間の問題だった。

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