SB亭さんにしては珍しく下ネタ満載の作品です。
沖縄に新しく出来る駅名を考えて欲しいと依頼された冒険家で詩人の丹波珍奈。
その駅が出来る予定の場所はある湖の畔だから、その湖の名前をつければ問題ないのだが‥‥
プロジェクトの責任者安里小弥と丹波珍奈が、その駅名について話し合う場面が笑える。“卑猥バイアス”がかかり、どんな言葉も卑猥に聞こえてしまうのだ。
さらに面白いのは、この作品に寄せられたコメントである。読者さんたちが世界中にある面白い地名や人名を教えてくれて、作品以上に盛り上がっている。
今も思い出したら笑えてしまう人名がある。興味ある方は作品のコメントを読んでください。
あ、作品もラストのオチが面白いから絶対読んでね〜!
これはまさに「侵食」。ありとあらゆるものを呑み込み、それにまつわる「意味」へと感染していくものであった。
路線拡張により、「新しい駅」ができることが決まる。
そしてその駅の周辺には「美しい湖」が広がっていた。では、そこに作る駅の名前はなんにしようか。
詩人の珍奈と担当の安里は必死に案を練りこむことになる。
だが、そこでありえないほどの問題が起こってしまう!!!
問題となっているのは湖。その湖の名前には、「とある強烈な力」が宿っていた。そのため、その湖との関連となってくると様々なワードに「別のニュアンス」がこもってしまうという。
「それ」は、ありとあらゆる言葉を侵食し、「一つの意味」へと改変していく。
日本人であれば、おそらくはこの魔力からは逃げられないだろう。それは「インドネシアのとある島」だったり、「オランダのとある州」だったり、または「サントメ・プリンシペ共和国の保健衛生相」だったり。
それらの名前に「何か」を感じ取ってしまう人間だったら、きっと作中の二人のようなトラップに取り込まれることは間違いない。
言葉から何かをイメージする。そんな人間の精神活動が引き起こす、一つの「災厄」の物語。実に哲学的な問題をはらんだ、とても知的なストーリーでした。