第1章は、社会から見捨てられた人々の絶望を。
第2章は、まさに現代風なSNS・ネット炎上がテーマ。
そして3章は、家族と執着といったところでしょうか。
扱われる事件はどれも「今、隣で起きていてもおかしくない」ものばかり。そして、それがゆえのリアルさがある。
特捜のメンバーが、単なる記号ではなく、それぞれに重い過去や欠落を抱えている点も物語に深みを与え、引きにもなっています。
白黒コンビではありませんが、主人公白石には白石なりの光と重圧。
黒瀬には、LINKという能力がゆえの翳りに近い感覚がある。
3章からと1章の冒頭の改稿で、ぐっと情景も描写も深まりました。
作者さんはいま、頑張って修正をかけてくれているのかな。全エピソードの修正が終われば更に読みやすくなると思います。
超能力(LINK)は、事件を解決する鍵か、それとも……。
現代社会の歪みが産み落とした名もなき悲劇に、凸凹バディが挑む。
警視庁に新設された“特殊捜査課(特捜)”へ左遷された刑事・白石鳳仙が、クセ者だらけのチームに放り込まれるところから始まる警察サスペンスです。
冒頭から「死後もなおその場に居座っている。彼女の声が――繋がる。」という不穏な一文が、この先ずっと引っ張られていきます。
登場人物もとにかく個性的。
課長・木島の“柔らかいのに隙がない”感じ、童顔天才・新崎の生意気さ、そして異質すぎる相棒・黒瀬。会話が多くて掛け合いがテンポ良く、混ざる場面でも名前がきちんと入っているので、すごく読みやすいです。
殺人事件から始まるのですが、単純な犯人探しではなく、いろんな人の思惑や事情が絡み合っていきます。
それに、“悪い奴を捕まえる話”に収まらず、民事と刑事の境界だったり、現代の問題にも踏み込んでいくところが面白いと思いました。
警察ものの緊張感と、バディの掛け合いの軽さ。
その両方を気持ちよく味わえる作品です。