LINK ―警視庁・特殊捜査課―
RIN
前編
Prologue
白石「特殊捜査課ねぇ。また、聞いたこともないとこですね」
警視庁 刑事部所属の白石
人事課のメンバーの興味本位な視線を背後で感じながら白石は首を傾げた。
藍原「そりゃ、3ヶ月前にできたばかりの部署だからね」
白石「そうなんすか。また変なとこ作りましたね」
目を細めながら受け流すように返す彼に藍原はデスクに頬杖をつく。
藍原「いつにも増して興味なさげだね」
白石「どうせ、合わなきゃまた流されるだけなんで」
藍原「ふーん。警視総監の息子にして、国立大卒のエリート御曹司」
頬を指先で軽く叩きながら藍原は、白石に貼られたレッテルを当然のように口にした。
藍原「なのに性格が叩き上げの泥臭い刑事だ」
白石「なんすか、その言い方」
藍原「僕だって、君が直属の部下だったら扱いづらくて仕方ないと思うよ」
どうにもならない自分の性分を評されたようで藍原の笑みが妙に刺さった。
白石「藍原さんでさえ……」
藍原は白石が知る中で最も寛容で、最も信頼できる人間だった。
その藍原でさえ、自分を部下に置きたくないと言う――その瞬間、白石は初めて自分の処遇に危機を覚えた。
藍原「あはは、まあ、僕にはどちらも理解できるってこと。あんまり気に留めず、新しい挑戦だと思ってさ」
白石「……わかりました」
藍原は頷く白石の顔を窺うように見上げた。
藍原「“警視庁の番犬”って聞いたことある?」
彼の口から二つ名だとか非現実的なことを聞くとは思わなかった。
白石「あー、嗅覚が優れる刑事がいるって聞いたことありますね。飲みの席でよくネタにされてます」
詳しくは知らないがたまにその名を耳にする。何でも五感に優れ、現場の判断が異常に早いらしい。
藍原「その彼がね、僕の警察学校時代からの友人なんだ」
白石「藍原さんにもそんな時代があったんすね」
藍原「彼がその特捜を仕切ってる」
藍原の笑みに白石は瞬いた。
白石「……はい?」
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