配られたら終わり――じわじわと非日常に侵される奇妙な“供述調書”ホラー

フリーライターである飯田のもとにやってきたのは、警察官の尾野。
彼は自身が異動となったK警察署を告発したいのだと言う。
どこか不気味な雰囲気を持つ彼が取り出したのは、K警察署に保管されていた供述調書の数々。

しかしそこに記述されている内容がおかしい。
「女性に声をかけられた」「隣人が庭で木像を燃やしていた」「自宅に知らないおじいさんがいる」……。
何の脈絡もなく、取るに足らない内容ばかり。
なぜ作成されたのかわからない、何の事件についてのものかもわからない不可解な供述調書だが、ただ「越江さん」という人物だけがなぜか共通して登場する。
彼女はいったい誰なのか? なぜこの供述調書が作られたのか?

奇妙な供述調書や資料から導き出された驚愕の真実に、飯田の日常も侵食されていく――。

"配られて"しまったら逃げられない、新感覚ホラー。