小説の書き方を擬人化してみた③危機

名前 クライシス

一人称 私

二人称 あなた

口調 わ よ 

口癖 しなくてもいいわ

年齢 29歳

容姿 白人の血が入っているので、すき通るように白い肌。

 体格はやや小柄。

 髪型はショートカット、色は水色

 ドレスのように、やや派手な服がこのみ

 目は切れ長

職業 喫茶店オーナー

趣味 お菓子作り スケート

好物 シュークリーム

性格 ツンデレ。

 幼いころ、日本人である母と米国人の父が離婚。

 母は幼い自分を連れ日本に帰ってしまったのだが、米国にいる父親とは話し合いが不十分だった。

 父と母の言い合いに巻き込まれて、性格はすさんだ。

 しかし、それでも父との交流が続いている。

 腹違いの妹に格闘家がいる。




「伏ちゃん、暇だねぇー」

「そうだね」

「その割にうれしそうだよね」

「そ、そんなことないよ」

「隠さなくていいよ。バイトにとっては他人事だし客が少ないほうがいいよねぇ~」

「……」

「そこは反論してよ」

「ごめんなさい、気が利かなくて…」


「もう、こっちはただでさえ、最近の物価高騰で生活がカツカツ。この店のテナント料さえ払えるかわからないのに」

「そんなに経営状況悪いんですか」

「ふふふっ」


「あの、……そんな風に黙って笑われるとかえって不気味なんだけど……」

「だ、大丈夫だよ。なんたって、この店の大家さんは私の大学の後輩なんだから。

 テナント料くらい、泣き落とせばどうとでもなる」


「そんなふうに、萌先輩は私のことを思っていたのね」

「く、クライシスちゃん!」

「あの、店長、この人はいったい……」

「さっき、萌が話していた、ちょっと泣き落とせば簡単にテナント料をまけてくれる大家さんよ」

「これ、やらかしてない」

「あの、クライシスさん」

「さっさとテナント料だしなさい」

「お慈悲を! お慈悲を!」


「残念でした。私のお慈悲は先ほどの失礼な発言を見逃すことで使い切りました」

「だ、大丈夫だよ。まだ、私の自信作オムライスチャーハンがあるから。これが有名になるはずだから!」


「わかったわ、とりあえず、味を見てあげるからだしなさい」

「ありがとう、クライシスちゃん。愛してる」


「これ、卵の中はチャーハンなのよね」

「そうだよ。伏ちゃんだって、一心不乱に食べてる」

「これは売れないわ」

「え! 伏ちゃんなんて、泣きながら食べてるよ」

「はい、内は貧乏でもう、こんなちゃんとした料理が出ること自体が久しぶりで……」

「あなた」

「何ですか」

「これ食べてみて」

「それ、ただの野菜スティックだよね。

 ドレッシングも何もない」

「とっても美味しいよ」

「ダメだこの子。あまりにも貧乏だから、ちゃんとした食材なら何でもおいしいと思うほどに、舌がバカになってる」


「私が思うに、これは流行らないわ。

 だって、チャーハンにはもともと卵が入っているもの。

 味なんて、ちょっと卵が多いチャーハン以外の何ものでもないじゃない」


「なんだと!」

「店長、良い伏線回収だね。

 店が流行らないってフラグを立てて、どうして流行っていないかが良く分ったよ」

「メタァ!」


「このままだと、伏ちゃんに払う給料もなくなっちゃう」

「ちょっと待ちなさい。この子学生よね」

「そうだよ」

「それで……」

「ぼく母子家庭でその……。お金がないと」


「テナント料まってあげるわ。

 この子にしっかりと給料を払ってあげなさい」

「ね、泣き落とせば、まけてくれたよね」



「それから、あなたに参考になるのかどうかわからないけど、最近はやりの料理のお手本を見せてあげるわ」

「その、できるんですか?」


「こう見えても、クライシスは喫茶店を経営している料理上手なんだよ。

 お高く止まったお嬢様が実は料理上手。

 これはいい、ギャップ萌えだよね」

「そこうるさい」

「すいません」


「それで、……二人はどういう関係なの」

「大学の文芸部の先輩後輩。

 大学卒業したら一緒に商売をしようって約束してたんだけどね」

「ど、どうして別れたの」

「音楽性の違いだね。

 ほら、萌は基本起承転結なんだけど、クライシスちゃんは最小単位が序破急になっちゃって」


「わかった。(何も分からないけど、分かった風にいっておこう)


「ほら、料理ができたわ」

「なにこれ、すごい」

「かわいい、萌えにぴったりの、可愛さ満点だね」


「何このパフェ! 口に入れただけでパチパチするよ」

「このクッキーもすごいよ! 表と裏で触感が違う」


「こっちもすごい」

「どうすればこんなものを」


「そりゃ、そうよ。何せこれは私の店の傑作だもの」


「ありがとう、ありがとう! 神様仏さま、クライシス様!」



「ああ、忙しい、忙しい!」

「クライシスさんに教えた料理をまねてから、一気にお客さんが来たよね。

 というか、これって、まねているというより、そのままじゃないかな」

「そんな細かいこと気にしないの。大事なのはお客さんが喜んでくれるかどうかじゃない」


「そんな訳ないでしょ」

「クライシスさんどうしたの」

「私のところの料理をそのまま使うなら、レシピ量をはらいなさいよ」

「この金の亡者!」

「私は参考にするだけって言ったわよね」

「それは」

「お慈悲を、お慈悲を!」

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