スノーフォーリング イン ミッドサマー 【真夏に舞い降りた雪 SS】

御坂しおん

君にどうしても逢いたくて 【雪side】

君にどうしても逢いたくて ①

 あれからどれだけの年月ときが過ぎ去ったのか。まだ十五を半ば過ぎた程度の身ではあるが、私にとってはそれだけの月日が掛かったと思えた。そう、この日をどれだけ待ち焦がれていたことか。緊張のあまりか、いつの間にか手が震えていた。




 真夏の青い空に太陽が燦々と照らし続けるとても暑い日、この日は珍しく転校生がやって来るということで、今や教室内は大騒ぎ。そんな中一人の女子生徒が廊下の前扉の前に立っている。その面持ちはとても緊張しているようで、心なしか落ち着かない。さっきまで一緒にいてくれた今日から担任になるという佐藤先生が教室に入ってから呼ばれるのを待っているところなのだ。


 ─── ドックン、ドックン ───


 スマホを取り出し、真っ暗な画面に移りこむ自分の前髪を何度も入念にチェックして、深呼吸をする。さっきから心音がうるさくて教室内にも聞こえちゃうんじゃないかと心配し、気を紛らすように何度も同じ動作を繰り返す。


(落ち着けー、落ち着け― 今度は前みたいに不意打ちじゃなく、ちゃんと……)


 何度か深呼吸を繰り返したのち、少しは落ち着きを取りもどしたらしく、スマホの待ち受け画面に映る3人の子どもの写真をみた。中央で一番偉そうなポーズで立っている全身まっ黒な私、白神雪しらかみゆき。当時は日焼けも気にせずずっと遊んでいたせいで、今の私からはまったく同一人物だと思えないくらいだ。


(なんで私はそんなに偉そうなんだよ、まったくもう…)


 視線を左にずらすと双子の弟の凪が大人しそうに映っている。そして右に視線を持って行くとそこには私と一緒にポーズを取ってくれている。私はそこに映っている彼のことを指で撫でながら、静かにその時を待った。

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