第7話 サッカー部(下)


相手ボールからの試合開始。ちなみに城山は部長と同じFW。渡辺はまさかのCBである。しっかりとレギュラーメンバーではあるらしい。

こちらも前線からプレスをかけていくが相手のパスも素早い。


(ここだな。)


「ナイスカット!」


「前上がれー!カウンター!」


中央に攻め込んでくるところを俺がインターセプトに成功。ボールを持って上がっていく。パスを取られた相手のトップ下のショルダーチャージをかわし、つづく相手のボランチをエラシコで抜いていく。空いた右サイドの先輩にパスを出す。

そのままクロスを上げると思われたがこれは相手のサイドバックが仕事をした。足にあたってコーナーキックとなる。


「惜しかったです。これ俺が蹴っていいですか?」


「いいパスくれたのにすまなかった。そういえばお前両利きか。 頼んだ。」


(さて、どうしようかな。 少し中を動かして直接狙うか。)


「部長ー! 少し外から合わせに来てください!」


「先輩もっと中つめて!」


ごちゃごちゃと中を動かして反応を待ってる間に左足で蹴っていく。FWの頭に合わさるかという所で逃げるように曲がっていきゴールの隅に吸い込まれていく。


「おぉー!まじか!直接かよ!」


「よし。 さすがにこの体はイメージ通りに動くな」


「きゃー!一条くーん!」


先輩達に声をかけられながら外からもちょこちょこ声援が飛んでくる。 渡辺はゴール前で呆然としていた。


「よし!もう一点とってくぞ!」


「おう!」


こちらのチームは一気に勢いに乗っていき、相手チームからボールを奪おうとプレスをかけていく。が、ここは相手のボランチとサイドの先輩が奮闘。FWの城山にパスが通る。ここを朔斗が詰めていく。


「お前マジで上手いなぁ! だがここは負けないぞ!」


「抜けるもんなら抜いてみろ」


フェイントを多用しながら話しかけてくるので応答しながらボールを狙う。


(足元狂ったな)


少し相手の足からボールが離れた隙に朔斗が右足で弾き、ボールを奪う。


「部長!裏!」


そこからすぐに空いたコースにスルーパス。地を這うような弾丸スルーパスだ。部長の実力を見たいのもあった。


「任せろ!」


部長は流石の技術でこのパスをトラップ。振り向きざまに渡辺をかわしミドルシュート。これにはキーパーも反応できずダメ押しの2点目が入る。


「おおっしゃぁぁ!」


「さすがだ源田!」


「源田先輩かっこいー!!!」


部内、部外共に人気のようだ。


「一条、ナイスパスだ!」


「いえ、厳しいコースだったのにさすがです。」


ここで俺はベンチの先輩と交代。他にも相手チームも含めて何人か交代があり残りの試合をこなしていく。




「ピィィィィィ!」


「よーし、今日はここまで!」


結果はこちらの勝ち。あの後城山は一点を返していたが、こちらの先輩も負けじと追加点。3-1となった。


「一条、どうだった? 楽しかったか?」


「えぇ、楽しかったですよ。ただ毎日参加できるかと言われると怪しいんで入部は迷いますね」


「そうか、実はそれはマネージャーからも聞いていてな。他のメンバーや監督とも話したんだが週の半分以上来てくれるならそれでもいいくらいお前が欲しいって話になったんだ。それならどうだ?」


(ダメ元で言ったが。これは相当譲歩してくれてるな。城山もいいやつだったしこの部活はそれなりに強い。ここでサッカーができるなら悪くないか。渡辺のこともよく観察しやすくなるしな。)


「分かりました。だいぶこちらに寄った条件にしてくれてますし入部させて下さい」


「おぉ!そうか!ほんとに嬉しいぞ! じゃあ今日はもう上がっていいから先生から入部届けとかだけ貰いにいって明日出しといてくれるか?」


「分かりました。それなら今日はこれで失礼しますね」


とゆう事でグラウンド整備などを飛ばして入部届けを取りに行くこともあり今日はここで抜けることに。他の先輩達や同級生にも声をかけた後着替えに部室に行くことに。


(渡辺は別に特段上手いわけでもなかったな。元々原作では体もそんなにでかくないながら泥臭くやるところを部長に評価され出してから伸びていくような流れだったはずだ。俺が入った事でだいぶ変わるかもしれんな。これ以上妬まれても今更変わらんが。)


着替えて部室を出ていき職員室に行こうかというところで待っていたのは美音だった。


「さくっち!お疲れ様! こっちのコートから少し見えたけどサッカーが本職なのかな?めちゃめちゃ上手だったし、あたしとテニスした時よりイキイキしてて楽しそうだったよ!」


「美音。お疲れ様。本職ってわけではないが1番好きなスポーツはサッカーだな。褒めてくれてありがたいがどうしてここに?」


「いやぁ、ちょっと早く終わったのもあるけど、さくっちと一緒に帰りたいなぁと思って!ちょっと話したいこともあるんだよねっ♪」


「話したいこと? まぁいいか。一緒に帰るのは構わないが職員室に入部届けだけとりに行かなくちゃいけなくてな。それだけ待ってもらっていいか?」


「もちろんいいよ!じゃあ昇降口で待ってるね!」


「わかった。」


とゆう事で1度別れ、職員室に入部届けを取りに行った後昇降口に向かうことに。


「悪い。待たせたな」


「おかえりー!全然待ってないよっ♪ じゃ行こっか! 」


「よし、帰るか。 ところで話ってなんなんだ?どっか行って話すか?」


「うーん、そんな深刻な話とかじゃないんだけど、ちょっとゆっくり話せたらいいかも。ファミレスでも行く?」


「部活終わりだしちょうどいいか。じゃあ向かおう」


歩きながら目的地も決まったので、話しながらファミレスをめざして二人で帰っていく。

それを部活終わりの時間ということもあり、後ろから暗い顔で見ている男がいた。


「な... なんで僕と帰るのを断ってあんなやつと... 今日の予定ってそれだったのかよ!」


(ダメだ これ以上美音とあいつを近づけちゃいけない。明日は絶対一緒に登校してその時にあいつのことを教えてやらないと。美音は僕の幼馴染なんだ。あんな奴にはふさわしくない...)



しれっと下校を拒否されていた原作主人公の渡辺であった。




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ご覧頂きありがとうございます。


このあたりからちょっとずつ物語の速度が上がっていきます。

つまり主人公の脳みそが弱っていく回数が増えるということですね。


嬉しい!!

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