序盤に交通事故にあってしまう主人公。
この出だしだけ聞くと、「ああ、ハイハイ異世界転生ものね」と思う方も多いでしょう。
しかし本作の主人公である蒼くん、なんと転生しません。
事故をきっかけに特別な能力も⋯目覚めませんっ!!
まさかの“何も起きない”展開。
あるのは、動かすこともままならない身体と、どうにもならない現実だけ。
いやいやそんな美女がそうそう身近におらんやろ!というようなラノベ要素が絶妙に交わり合い、気づけばすっかり作品の世界に引き込まれていました。
まだ序盤なので派手な展開はほぼありませんが、心理描写や情景描写が非常に丁寧で、妙に引き込まれる。
静かなのに退屈しない、不思議な中毒性があります。
異世界も特別な能力もバトルもない。
しかしながら日常系にしては独特すぎる雰囲気な本作。
多くの人にその不思議な魅力を持つ世界に触れていただきたいと感じます。