第十一章:魔王との対決
魔王城の内部は、暗く不気味だった。
長い廊下を進むと、巨大な玉座の間に辿り着いた。
そこには、巨大な玉座に座る一人の人物がいた。
いや、人物ではない。
黒い鎧に身を包み、赤い目を光らせる魔王だった。
「よく来たな、人間ども」
魔王の声が響く。
「我が名はザルガード。この世界を支配する者だ」
「魔王ザルガード……!」
リオンが剣を構えた。
「お前を倒しに来た!」
「ふん、勇者ごときが」
ザルガードが立ち上がる。
その瞬間、圧倒的な魔力が放たれた。
「うっ……!」
全員が膝をつきそうになる。
「これが魔王の力か……!」
「だが、負けない!」
リオンが突撃した。
激しい戦闘が始まった。
勇者パーティーと蓮のパーティーが、総力を挙げてザルガードに挑む。
だが、魔王は強かった。
「無駄だ!」
ザルガードの一撃で、ガレンが吹き飛ばされた。
「ガレン!」
「くそ……こんなに強いのか……」
セラが回復魔法を唱えるが、ザルガードの攻撃は容赦ない。
「みんな、下がって!」
蓮が前に出た。
「レン、無茶だ!」
「でも、やるしかありません!」
蓮は鉄鍋を構えた。
【料理人の闘志】を最大出力で発動。
鉄鍋が眩い光を放つ。
「ふん、料理人ごときが」
ザルガードが攻撃を仕掛けてきた。
だが、蓮は避けずに正面から受け止めた。
「うおおおお!」
鉄鍋と魔王の剣がぶつかり合う。
火花が散る。
「馬鹿な……お前、ただの人間ではないな!」
「僕は……ただの料理人です!でも、守りたいものがある!みんなの笑顔を!だから、負けない!」
蓮の鉄鍋が光り輝いた。
そして、ザルガードを押し返した。
「ぐっ……!」
ザルガードが後退する。
「今だ、リオン!」
「ああ!」
リオンが勇者の剣を構えた。
「聖剣解放!」
光の剣がザルガードに突き刺さった。
「ぐああああ!」
ザルガードが叫ぶ。
「とどめだ!」
全員が一斉に攻撃を仕掛けた。
そして、最後に蓮が鉄鍋で渾身の一撃を放った。
「これで終わりだ!」
ザルガードの身体が光に包まれた。
「まさか……こんな結末を……だが、覚えておけ……魔王はいずれ復活する……その時は……」
ザルガードの身体が消滅した。
戦いは終わった。
* * *
「やった……やったぞ!」
リオンが叫んだ。
「魔王を倒した!」
みんなが歓声を上げた。
だが、蓮は倒れ込んだ。
「レンさん!」
リィナが駆け寄る。
「大丈夫……ちょっと疲れただけ」
「無茶しすぎですよ!」
「でも、みんなを守れたから……よかった」
蓮は笑顔で言った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます