人生のどうにもならないことが綴られている本作。
ここには、いつくものパワーワードが潜んでいるのです。
大人になって立ち止まり、人生のなかで認めたくなかった事柄に向き合う。
そんな失望や諦めが、本作のあちこちに転がっています。
それなのに読んでいると、ふと微笑んでしまう瞬間があるのです。
この奇妙な雰囲気は、筆者の物事の書き方にあると思うのです。
とくに段落のつなぎ方です。
本作の中では、微妙に異なる感情が込められた段落が、独特の流れでつながっているのです。
多くの人は、読み進めていると予想していなかった心の動きが起こるのではないかと思います。
だけど、その意外な話の流れがなんとも心地良いのです。
エッセイの多くの内容としては、落ち込んでいる。
なのに文章の端には、こっそりと笑いがいる。
そのくらいの緩みがエッセイには必要なのかもしれませんよね。
この作品に、明るい話題はあまりないかもしれません。
それでも、独特の言語感覚で綴られた言葉には、妙に頷いてしまう。
本作は、そんな不思議な魅力に溢れたエッセイなのです。
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