ほのぼの食堂ファンタジーだと思って油断していると、不意に胸を掴まれます。
優しい料理と子供たちの笑顔に癒やされる一方で、「この国、本当に大丈夫か?」とじわじわ広がる不穏さ。
日常の温かさと、外の世界の歪みの対比がとにかく巧い。
特に第三部に入ってからは、守られる側だった場所が“誰かを守る拠点”へと変わっていく気配が濃くなり、一気に物語のスケールが広がります。ただの異世界グルメでは終わらない。
優しさで抗う物語が好きな人には、間違いなく刺さるはず。
読後、「続きが気になる」ではなく「見届けたい」と思わせる作品です。