ホットショコラが冷める前に

夕暮れ、土手沿いの道。

友達と賑やかに話しながら、長く伸びる影を引き連れて進む。

いつもの十字路、また明日とみんなに大きく手を振った。

僕は一人、家まで歩く。

公園でのボール遊びに、かくれんぼ。

汗と泥にまみれた洋服を、夕陽が照らす。

近所のおばあちゃんがくれたサイダーの瓶を片手に、流行りの歌謡曲を口ずさむ。

道端の猫と少しじゃれながら、ふんわり金木犀の香りに包まれて。

また明日も晴れるかな？

畦道では虫たちの合唱が始まる。

急いで帰ろう。

ママが作ってくれたホットショコラが待っているから。