第2話 侵入ー一つ目の謎ー

 あの後特に何もなくいつもの日常を送り放課後いつも通り家に帰ったが今夜だけはいつもと違う、弘の突拍子もない発言のせいで夜の学校に忍び込むことになってしまった。

 約束の時間通り校門前に着いたがどうやら俺が最終らしい

「遅いぞー!」

呆れたまなざしで俺を見つめる弘

「そもそもお前が誘ったんだろ少しは巻き込まれた身にもなってくれ」

あははと流す弘を見て少し殺意が沸いたがまぁ許そう

「みんな揃ったか?」

全員答え点呼をとったし行こうとしたが失念していたことが一つだけあった

「そもそもどうやって入るんだ?」

そう夜の学校には当たり前だが鍵が閉まっている。

「その点は抜かりないぜ」

そういいながら鍵を取り出す弘

「まさかお前...」

と言おうとした矢先茜が遮る

「まさかあんた盗んだんじゃないでしょうね!」

「いや合鍵作っただけだよ...」

「それでもダメなものはダメよ!」

その意見は同感だ

「わかったよこれは今日の探索が終わったら捨てますよ」

茜が初めから作るなとか言っていたが特に興味はない

「あ、あの皆さんはいらないんですか?」

美紀が話しかけて全員本来の目的を思い出した

「そうだった...取り敢えず入ろう」

そう言って弘は校門の鍵を開けて校内に侵入していく

「それでまずはどの七不思議を確認するんだ?」

そもそも行く先を決めなくてはやりようがない

「そうだね取り敢えず一番から順に調べようぜ」

一番...花子さんか、まてもしかしてこいつ

「お前女子トイレに入るつもりか?」

「もちろん入んねぇとわからんし」

最低だ...。その時茜がキレた

「あんたバカじゃないの!?誰もいないからって女子トイレに入ろうなんてさすがにドン引きよ...」

茜は虫を見るような目で弘を見る

「なら女子たちで言ったらどうです?」

ここは助け船の代案でも出しておくかこのままだと弘が殺られそうだし

「まぁ...いいわよそれで」

茜の了承は得たあとは美紀だ

「私もそれでいいですよ」

女性陣の了承は得た

「ならよろしくお願いします」

その後、女性陣は噂の女子トイレに行ってもらって俺らは待つことにした

 「確かここよね」

「そうですね実習室の三階の三番目の個室ですしね」

「ならやるわよ。」

固唾を飲みノックをする

「花子さんいらっしゃいますか...?」

そういいドアを開ける。すると金切り声が女子トイレ内に響き渡った

「「きゃあぁぁぁぁぁぁぁ?!」」

 二人の悲鳴が聞こえたため不可抗力だが入らせてもらった

「大丈夫か!?」

「い、今金切り声が...」

茜が指をさすがそこには誰もいない

「う、嘘...どうして...?」

「まさか本当に...」

弘も怖がり始めただがこの場でたった一人怖がっていない者が一人いた

「なぜ誰もいないのに金切り声が上がったのでしょう?」

「よく冷静でいられますね美紀さん」

「いいえ私も少し怖いですよですが不思議が少し勝つんです」

不思議か確かにそうだ

「鳶、わかるか?」

「俺に聞くなよ俺は探偵じゃない」

えぇーと弘は落胆していたがそりゃそうだろ。だがやはり違和感がやはり残る

「そういえば金切り声が鳴ったのはどのタイミングですか?」

茜が答える

「確かドアを開けた時だけど...」

なるほど…だいたい分かった

「弘、ここ最近改装工事とかしたか?」

「確かしてないはずだぜしたとしても先輩の先輩の先輩の代が一年生のころだから俺らが入学する前なのは確実だよ」

ならこの説を実証できるな

「トイレの花子さんの正体分かったぜ」

 「わかったのか!?」

「あぁこんなことに気づかないとはさすがに噂を流した奴は相当焦ってたらしい」

「どういうことですか?」

頷き説明を始める

「これはあくまで俺の考えですが、多分蝶番の劣化が原因だと思います」

「蝶番?それがどうしたのよ?」

「蝶番が劣化したせいで動かすたびに音が鳴るようになってしまったんだほら自転車のブレーキも劣化すると音が鳴ったりするだろ?」

「確かにそうだな」

弘も同意してくれたし実証実験をしようと思い扉に手をかけると

「やっぱり鳴った」

扉はやはり音を立てた

「弘ライト持ってないか?」

「あるよ」

どこからかともなく懐中電灯を出してきた弘に少し驚いたがそれはいいだろう取り敢えず蝶番のところに光を当てて確認をすると。

「やっぱり錆びてる」

「なんだただの老朽化が原因かつまんねぇ幽霊かと思ってワクワクしてたのに」

なぜかがっかりしてる弘を遮り茜が話す

「びっくりして損したわ~」

なぜか茜と弘は犬猿の仲なのに意見が合うことが多いまぁ気にしないでおこう

「それにしても鳶さんよくわかりましたね」

美紀の疑問に弘が謎に解説してきた。

「こいつ昔っからやる気はないけど推理力高いんだよね~」

目を輝かせながら美紀が俺を見る

「鳶さんすごいですね探偵みたいでかっこいいです」

「そんなことより次行こう!」

弘が遮り進行していくいつからこいつは仕切り始めたんだまぁ答えるのめんどかったからいいけど。

そうして俺らは二個目の七不思議を解明するために場所を移し始めた。

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