ナイフゲーム

OROCHI@PLEC

ナイフゲーム

 貴方は今、ある白い部屋の中で椅子に座っている。

 その部屋には貴方が座っている椅子とその前にある机、そしてスピーカーと、巨大なモニターがあった。スピーカーはその机の上に、モニターは貴方の前の壁にかかっているが、他には何もない。

 これが夢なのか現実なのかは分からないが、確かな事は貴方は今そこにいるということだ。


「あーあー聞こえてますか?」


 突然目の前のスピーカーから声がする。


「その反応だと聞こえているみたいですね」


 そう言う声は無機質な機械音声だった。


「じゃあ簡単にあなたが今からやらなければならないことを言います。拒否権はありますが、その場合この部屋から一生出られません。」


 突然のことに驚いて貴方はどう言う意味か聞こうとするが、相手はこちらに話す暇も与えないまま、話を進めていく。


「あなたにはこれから十数人のナイフゲームというゲームのプレイ映像を見てもらいます」


「そして全て見終わった後、一番気に入ったエンドを選んでいただきます。そしてあなたがそのエンドの感想を書き終わり次第、あなたは解放される。単純明快でしょう」


 実際その通りだったので貴方は頷く。


「理解できた様ですね。それでは、あなたが何かを話したら動画は始まります。好きなタイミングで始めてください」


 それっきり冷たい音声は聞こえなくなる。

 貴方は出口でも探そうかと思ったが、白い壁には扉どころか隙間もない。

 スピーカーや椅子も見た目はいたって普通だ。

 中身を分解してみてもいいが、流石に怒られそうなので貴方は動画を大人しく見ることにする。

 貴方は声を上げた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る