異能のデスゲームで無双する?

みなと

プロローグ

1 デスゲーム

ここはどこだ?


俺は今、真っ暗な場所にいた。

俺の記憶に残っている最後は普通に学校で授業を受けていた記憶だ。


何故こんなところにいる?


『ようこそ神崎裕也かんざきゆうや様』


「誰だ」


女性のような声がする。

だが、どこから話されているのかはわからない。


『あなたには今からゲームに参加していただきます』


ゲームだと?

だが、それよりも気になることがある。


「何故俺の名前を知っている?ここは何処だ?」


俺がそう聞くが、


『あなたには今からゲームに参加していただきます』


先ほどと同じことしか言わない。

ゲームのNPCかな?

決まったことしか話せないのか。


『あなたには今からゲームに参加していただきます』


俺が何も言わなくても同じことしか言わねえ。

どうやったら進むんだこれ。


「断る」


普通に断るやろ。

勝手によくわからん場所に連れてこられてゲームに参加しろだ?

そんな怖いものに参加できるか。


『ゲームに参加していただけないのであれば、あなたにはここで死んでもらいます』


はぁ?


『ゲームに参加しますか?』


脅しじゃねえか。

参加しなければ殺すってか?

実質1択じゃねえか


「参加する」


『神崎裕也様のゲームへの参加が確定いたしました』


なんだよこれ。

絶対に碌なゲームじゃねえ。


『ゲームの説明を開始いたします』


「ゲームの説明よりここはどこで、なんで俺がここにいるかを聞きたいんだけど」


『ゲームの説明を開始いたします』


同じことしか言わねえ。


「ゲームの説明とかいらないから帰らせて」


『ゲームの説明を開始いたします』


うぜえ。

本当に肯定しない限り進まないNPCじゃん。


「わかった」


『ゲームの参加者には、ゲーム開始時に別空間に移動し、そこでミッションなどを行なってもらいます』


肯定したら進んだし。


というか別空間?

何を言っているんだ?

ああでも、俺が気づいたらここにいたように、超常の力があるのかもしれない。

だけど、だとしたら少し面白そう、か?


『別空間にはモンスターと呼ばれる異形の生物が存在します。生物を殺すことによってポイントが獲得でき、ポイントを獲得することによって様々な恩恵を受けることが可能となります』


気になることがあった。

まず、俺のことをゲーム参加者と言ったが、先ほどまでの二人称はあなただった。

つまり、参加者は複数いる可能性が高い。


そして、わざわざ『モンスター』がいると言った後に、『生物』を殺すとポイントが手に入ると言った。


二つを合わせると、参加者、つまり人を殺してもポイントが得られる可能性が高い。

まあ、俺の杞憂かもしれないけど、殺し合いのデスゲームなのかもしれない。


『ゲーム参加者には武器が最初に与えられます。その武器は後ほど選択していただきます』


『質問はございますか?YESかNOで答えられる質問なら答えます』


質問ね。

さっき疑問に思ったことを聞いてみるか。


「参加者とは俺だけか?」


『NO』


『他の参加者を殺すことでポイントは手に入るか?』


『YES』


うっわ。デスゲーム確定やん。

あとは、ゲームのクリア条件を聞きたいのだけど、YES/NOで答えられないんだよなぁ。


「俺は生きて帰ることは可能か?」


『YES』


「死ぬ可能性もある?」


『YES』


「ゲームを終わらせるにはどうすればいい?」


『・・・』


やっぱ答えてくれないか。

具体的にどんなゲームなのかもわからないんだよな。

今分かるのは、複数のゲーム参加者がいること、モンスターがいること、生物を殺すことでポイントが手に入ることくらいか。


YES/NOで答えられることを言いまくってみるか?

それで頑張ってゲームの概要を掴みにいく。


俺がそうして、色々なことを思考していると、


『質問が一定時間されなかったため、質問を終了します』


そういうの先に言って欲しいよね。

時間制限があるとか。


『武器選択に入ります。使える武器はこの二つです』



『剣』『銃』



俺の目の前には西洋っぽい剣と拳銃の画像が表示された。


その画像の下に、説明も書いてある。


『剣 両刃の剣 重量1200g 刃こぼれを一切しない 破損することがない』


『銃 拳銃 重量600g 破損することがない 銃弾はポイントにより交換が可能』


なるほど。


剣は安定して使い続けることができるが、接近しなければいけない。

銃は遠くから相手を攻撃することができるが、ポイントを使用しなければ使い続けることができない。


さて、どうするか。

ポイントが湯水の如く手に入るなら拳銃1択なのだけど、そうでないのならポイント消費はできるだけ抑えたい。

もし、ポイント入手がゲームの生死を分けるのなら、ポイントは入手してもあまり使わない方がいい気がする。


そもそも、俺が銃をちゃんと扱えるのか、拳銃でモンスターをきちんと殺せるのかなど不安な点が多い。

まあ、武器として選択できるのだから、モンスターをきちんと殺せるとは思うのだけど。


剣は安定しているけど、もし、銃を持った人間に敵対したら、圧倒的に不利だ。

もし、体格が圧倒的に負けているモンスターがいた場合、それに勝てるかも分からない。


というか、俺は剣をちゃんと振れるのだろうか?

剣なんて振ったことがないから分からんのよな。


現代日本人にとって殺すための武器というのは馴染みのないものだからどちらも使ったかとがない。




よし、決めた。


「剣で」


選んだ理由はやはり、ポイントがどうなるか分からないから。

銃を持った相手も、人間とそもそも殺し合わなければいい話だ。

強制的に争わせてくる可能性はあるが。


『剣を選択しました』


すると、コトンと背後で音がする。

後ろを向くと、足元に鞘に入った剣と腕輪が落ちていた。


何処から来たのか。

まあ、何かした超常の力なんだろうな。


二つを拾い上げ、腕輪を嵌めてみると、ホログラムのようなものが出てきた。


———————————————


基礎情報

スキル・称号

アイテム

ミッション

ショップ


———————————————



なんだこれ。

まるでゲームみたいだな。


まあ今からやるのもゲームなんだけど。

頭にdeathのつく。


これ、どうやったら中身を見るんだ?


「基礎情報」


とりあえず言ってみる。



———————————————


神崎 裕也

17歳

ポイント0


———————————————


画面が切り替わった。

内容は普通に俺の基礎情報って感じだな。


「スキル・称号」


というか、スキル・称号ってなんだよ。

本当にゲームか?



———————————————


スキル


共通言語


鑑定LV1

身体能力強化LV1



称号


剣の使い手


———————————————



うん。ゲームだな。

てかなんだよ共通言語って。

もしかして、言葉が分からない人とかいるってこと?


別空間に元々住んでいる住民か、もしくは…外国人か。

俺が日本人だったから参加者は日本人前提で考えていたけど、世界で見たら日本人なんて1%ちょっと。

普通に外国人の方が多いのは当たり前か。


普通に銃社会の人間も参加するなら命の危険は跳ね上がったかもしれない。

剣を選んだのはミスだったかもなぁ。


『神崎裕也様の準備が完了しました。ただいまより転送を始めます』


まだアイテムとミッションを見てないんだけど!

だが、そんなこともお構いなしに辺りが光につつまれていく。


まあ、普段からやってるゲームに近いところもあって少し楽しそうだし、頑張って生き残るとするか。

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