いろんなエピソードが展開できるユニークな設定。ドラマにしておもしろそうな、完成度の高い短編でした!
記憶を「日付」として売るという発想が鮮烈な、静謐で残酷な幻想譚。人が悲しみを“忘れることで救われる”一方で、魔女はその痛みを受け継ぎ、他人の記憶を帳簿のように蓄えていく。ラテン語〈カレンダリウム=借金台帳〉を語源とする設定が、記憶の取引という構造に重なり、作品全体を象徴的に締める。わずか数千字の短編で、人の罪・祈り・再生を描ききった完成度の高い一作。