二度目の人生、前世で処刑した異母弟は敵国の将として私に復讐しようとする

氷華雪碧

血塗られた前世

プロローグ

「――神宮久遠、お前を大逆罪で処刑する。」


私は玉座に座り、反逆者となった異母弟を見下ろしていた。

この国の秩序を守るために、私は“法”に従った。


そう、これでいいんだ。私は正しい。間違ってなんてなどいない。


 ――そう、思い込もうとした。


「姉上……いや、陛下。」

  

彼は怒りとも悲しみともとれるような声で言った。


「俺は、貴女を絶対に許さない。」


それが、あいつの最期の言葉だった。

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