第8話 東へ!・3 141

 氏康は考える。織田家はすでに、国内の

筆頭勢力。しかも、武田家とも上杉家とも同盟を

結んでいる。

この申し出をつっぱねたら、矛先がこちらへ向き、

怒濤(どとう)の如く攻め立てられるだろう。

情勢を見るに、

ここは素直に

同盟を結ぶがよい。

「両家の繁栄のため。

 承知いたそう。」

「おお!

 それがようございます!」


 北条家との同盟は、信長の予想通り成立した。

もはや国内に敵無し。

あとは力でもって、敵を平らげるだけである。

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