第22話 炎と煙の中で
午後十時のなりきり女子高生宅。
噎せ返るような煙と獣の臭いに囲まれたなりきり女子高生が現れた。
なりきり女子高生は自分の身の安全(一般人の想定するなによりもまず優先すべき自分自身を指す言葉。衛宮士郎は一般人ではない)よりもずっとまず家族のことが気にかかったが、今日は両親が共に出かけていて自分一人であることを思い出し少し安堵した。だが元より月ウサギたちの目的は裏切り者の処刑と裏切り者を匿った者の殺害である。月ウサギは獲物を仕留めるとその皮を剥いで身に纏い月明かりの下で踊ることで知られる。裏切者のNo.306は既にここを去ったようだが、奴への見せしめにこの女の死体を夜風に晒すべく、月ウサギは処女の血を求めて襲い掛かる。
だがいきなり長い火炎放射器をもった月ウサギがやってきて、とにかくすごい灼熱の炎でかつての同胞を焼き払った。
その瞳はすでに、死を覚悟した者の昏い光を放っていた。
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