第23話:中枢神経系③
――その総数は数万人と言われる忍者族。
忍者たちは、忍者であることを隠す者が殆どであり、日ノ国の様々な国家機関および傘下組織に入り込み、活動している。
公安も忍者族が半数を占める……という噂もある。
必然、この国の政治にも多大な影響を及ぼす。
忍者族の長および その側近たちが誰なのかは外部には明かされない。
――にも拘わらず、日ノ国の政治において強い権力を持つ。
国会議員として活動する忍者などがパイプ役となり、長の意向を伝える。
側近には、官僚として活動する者も複数いるらしい。
「――シーナ国のスパイが多数 政界に潜り込んでいる。
このままでは、日ノ国は終わりだ」
手裏剣術の選択教練を終えたエレナと合流、カンナも含む新米隊員10名ほどが集まって神妙な面持ちで会話をしている。
明日は休日なので、話し合いは長くなりそうだ。
オウカは、多人数での会話が大の苦手なので、少し離れたところで耳を傾ける。
(自分が喋らなくても会話が進むなら、発言する必要性を感じない陰キャ)
「日ノ国の政治の中枢にまで潜り込んでいるらしいね。
シーナ国籍から帰化した政治家や、純日ノ国人だけどハニートラップにかかった政治家も多い」
――自国スパイを送りこむよりも、敵の弱みを作りスパイにしてしまう方が早いし、用済みになったら いつでも切れる。
「殆どのオールドメディアは報じないけど、ネット情報のが遥かに信ぴょう性は高い。
コメント欄を見れば、ある程度 民意がわかる……消し込まれてなければね」
――この国のオールドメディアは信用を急速に失い、洗脳装置として機能しなくなってきている。
SNSが民意反映の場となっている。
「外国人優遇により、他文化を強制されている状況だ。
今の総理は明らかに親シーナだ」
――外国人優遇しまくって大量に移民させる。
そして、外国人に参政権を与える法案が可決されれば、政治面からもシーナ国がより侵略しやすくなる。
「日ノ国は、経済・土地のみならず、果ては思想や宗教という最深部まで侵略されつつある。
日ノ国人としてのアイデンティティを破壊しようとしている」
――そうだ。
日本文化を希薄化させ、民意を無視してまで海外文化をゴリ押し。
教育機関の教科書も、シーナ国文化が侵食しつつある。
全方位から日ノ国を侵略することがシーナ国の目的だ。
――そして、軍事面でも。
――私は、日ノ国軍の将校になり司令部に入り――機密情報をシーナ国に流し続ける。
それが、私がシーナ国スパイとして使役されている理由だ。
そのためには、武功を挙げる事が合理的だ。
――しかし、武功を挙げようにも戦争がなければどうしようもない。
せいぜいが、隣国による領海侵犯での小競り合いだ。
戦争が起きる兆候は、今のところ感じられない――
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