準備・そしてお礼参り

「・・・如何でしょうか?」


「必要な物用意出来ます。ただ、失敗は許されませんよ?」


「失敗しても俺一人の命で済むなら安いものです」


「分かりました。では微力ながら私も尽力させて頂きます」


「1つ聞いても構わないですか?」


「何でしょうか?」


「僕は覚悟を決めました。だからあるじ様に対して態度も言葉も変えました。ですが・・」


「私も人間です。大事な人のあの様な姿を見せられると、心にさざ波が立ちます。私の妹も似たような目に逢い・・自ら生命を絶ったので。故に女性を玩具として扱った奴らに対して、私憤として許せないのです。そして傍観してただけの奴らも・・」


「申し訳ありません!そうとは知らず!」


「頭を上げてください、私が勝手に話しただけなので・・」


「はい」


「私は主様より当面の休暇を頂きました。故に貴方の復讐を全力で支えさせて頂きます。」


「ありがとうございます・・必ずやあるじ様の満足して頂ける様にしてみせます」



―数日後・学校―


「・・・奴らに売られてから3ヶ月か。まさかこんな形でここに帰ってくるとは・・」


「全ての準備は万端、整ってます。昨夜教室に仕掛けたカメラと集音器で、この様子は主様にリアルタイムで伝わります」


「ありがとうございます。では始めましょうか」


―教室―


ガラガラガラ・・


「!?」


「え!おま・・」


パァン!


パラパラ・・


「五月蝿い。俺に逆らえば、お前らの頭に風穴開けるからな。オモチャじゃないのは・・今ので分かるよな?」


「・・・」


「正直言うと・・生きて帰ってくるとは思って無かったし、てめーらの顔も見たく無かった。けど、テメーらにお礼をしなきゃ・・母さんや妹、彼女に顔向けできないんでね」


「はっ・・最初は不意打ちでビックリしたが、俺達に逆らえばどうなるか忘れたのか?この生ゴミがっ!」


「・・お前はパパ~がいないと何も出来ないもんな。あ、ママか。他の奴らも全員、親の威光を笠に着て、金と権力にものをいわせて揉み消して貰わないとな~んにも出来ないお子ちゃまですもんねー・・」


「この・・」


バン!


「つぅ・・」


「かすり傷で済ませてやったが・・次はその空っぽの頭に風穴空けるからな。」


「くっ・・・」


「この銃はクソゲームで散々使い、乳飲み子を含め大量の血を吸わせたからな・・ためらえば死ぬ。そんな環境に置かれたお陰で、手に馴染んで身体の一部になってんだ。容赦も躊躇もないぞ」


「この・・人殺し・・」


「その原因を作ったのは100万円であるじ様のゲームに俺を売ったお前らだろ?無駄話が過ぎたな・・本題に入ろう。俺をゲームに売り払った代償、そして母さん・妹・彼女への仕打ちに対する精算をして貰う」


「さっきから生ゴミが偉そうに喋ってんじゃねーよ!」


「そうよ!!こんな事したの、私の親が知ったら・・」


「知ってるよ」


「?」


「すみません、連れてきて下さい」


「ハッ!ほらっ全員、そこに座れ!」


・・・・・ガラッ・・ドサッ


「パパ!?」


「お袋!!なんでそんな奴の前で土下座なんかしてんだよ・・」


「・・厳密には土下座の相手は俺でなく、俺に庇護を与えてるあるじ様に対してだけどな。」


「な・・」


「俺のバックには、この場にいる全員の生殺与奪を握る人がいる。それが意味する事は・・分かるな?」


「・・まさか・・」


「お前の親よりも上の権力者が俺のバックにいるのよ。さぁ・・今までの借りを利息を付けて返させて貰うからな!」


「・・そんな・・」

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