悪役令嬢じゃないと救えないものもあるんですっ！！

爆発的な爆発っっ

エリザベス・レイモンド。

とある作品の作中作に出てくるこの令嬢は、高慢ちきでわがままな嫌われ者の悪役で、主人公をいじめ、最終的には婚約者に断罪され、処刑されてしまう。

そんなエリザベスに転生するのが竹内美春、彼女はそれはそれはもう美しい手腕で皆を救う、最後に皆に愛されると言う物語だ。

そして、そんな物語が大好きなのが私、遠藤さや。

高校二年生のその辺にいるオタクである。今日は大好きなその作品の新刊発売日ということで本屋を何軒も梯子している。特典に釣られてホイホイ何冊も買ってしまっている、単純で大変幸せそうな性格である。

「これは保存用、これは読む用、これは飾る用、これは布教用…」

同じ特典でさえ数個揃えている、頭が痛くなる。

さやはるんるんとウキウキで数千円かけて買ったものを見ている、そしてるんるんとウキウキで彼女は気づかなかった、

–-–-–-目の前から血を吸うトラックが彼女を襲おうとしていたことに

遠藤さや死す

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