嵐-RUN-
@Ningeeeen
中学編
第1話 位置について
それでは行います。「いちについて」パンッ!
鳴り響くスタートの合図とともに俺は走り始めた。俺の名前は原慎也。俺は今、体力テストの1500m走をトップで走っている。俺は小学生の頃からずっと長距離をやっている。もちろん中学では陸上部に入部したし、俺以外に中1で長距離をやっているやつは1人いるがそいつはそんな速くない上に俺はあと数秒で県大会というレベルなので体育の1500mで俺に勝てるやつはいないと思っていた。そう、グランドの300mトラックの2周目までは俺の後ろに足音はなく独走状態だったのでそう思っていた。ラスト3周、つまりラスト900mで後ろから足音が聞こえてきた。俺は油断していた。そいつは俺を抜かしたがすぐ垂れてくるだろうと考えていた。しかしそんなことはなくラスト300mになった。俺は焦った。ここで追いつかなければ俺は負けることになる。俺はなんとしてでも追いつこうと最後の300mは息ができなくなるほど本気で走った。俺は負けた。その上、そいつは底がズタズタになった汚い靴を履いた帰宅部、俺は先月買ってもらったばっかりの厚底レーシングシューズを履いた陸上部。俺が5分2秒であいつが4分32秒。なぜ俺がこんなにも圧倒的に負けるか理解できなかった。、、、
俺の名前は綾瀬新一郎だ。今から、体育で1500mをやるらしい。昔からサッカーだったり野球だったりそういう類のスポーツは苦手だったし、50mや100mも速い方ではなかった。だけど長距離は得意だ。今回の1500mは最初は疲れてしまうから流せばいいと思っていた、だが3周目に入った時、俺は疲れてもいいから勝ちたくなった。結局そのレースは1位だった。俺は疲れたくなかった。なぜなら俺は放課後から21時までバイトで走らなければいけない。祖父の借金のせいで俺の家は金がない。中1でアルバイトとはいきすぎてるかもしれないが俺の場合は仕方ないと思っている。父親は失職し今は仕事探しをしている。収入は母と俺のアルバイトだけなので金がない。俺は街中を走り回って広告だったりチラシなんかを時給500円で配っている。俺の家には自転車を買う金もない。だから俺は走らなければいけない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます