エピローグ
ある雨の夜。
ひなたは、カフェで一人、コーヒーを飲んでいた。
窓の外では、雨が降っている。
ひなたは、窓ガラスに映る自分の顔を見つめた。
そして、ふと思った。
もし、自分に兄か姉がいたら、どんな感じだったのだろう。
守ってくれる人。
相談できる人。
一緒に笑える人。
そんな存在がいたら、どんなに心強かっただろう。
ひなたは、笑った。
「馬鹿みたい。何を考えてるんだろう」
ひなたは、コーヒーを飲み干した。
そして、立ち上がろうとした時、窓ガラスに何かが映った。
ひなたは、振り返った。
しかし、そこには誰もいない。
ただ、空っぽの席があるだけ。
ひなたは、首を傾げた。
しかし、すぐに笑って、カフェを出た。
雨の中、傘を差して歩く。
ひなたの後ろを、誰かが歩いているような気がした。
しかし、振り返っても、誰もいない。
ただ、雨が降っているだけ。
ひなたは、また笑った。
「疲れてるのかな」
そして、家に向かって歩き続けた。
雨音の中、ひなたは歩く。
しかし、確かに感じた。
誰かが、そばにいる。
見えないけれど、確かに、そばにいる。
「……ありがとう」
ひなたは、小さく呟いた。
雨音に消されて、誰にも聞こえない。
しかし、確かに、誰かに届いた。
そんな気がした。
---
**『後悔行きのバス』完結**
---
## 著者あとがき
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
この物語は、「後悔」というテーマを扱いました。
誰もが、後悔を抱えて生きています。
あの時、ああすればよかった。
あの人に、ちゃんと伝えればよかった。
そんな後悔が、私たちの心を縛ります。
しかし、過去は変えられません。
後悔は、消せません。
では、どうすればいいのか。
この物語の答えは、一つではありません。
蓮は、全てを失う選択をしました。
それが正しかったのか、間違っていたのか。
それは、読者の皆さんが決めることです。
ただ、一つだけ言えることは。
後悔は消せないけれど、向き合うことはできる。
そして、今を変えることはできる。
それが、この物語から伝えたかったことです。
ひなたは、幸せに生きています。
蓮の想いは、形を変えて、ひなたのそばにあります。
それは、ビターなエンドかもしれません。
しかし、希望もあります。
後悔と向き合い、選択をし、前に進む。
それが、私たちにできることなのかもしれません。
また、どこかでお会いしましょう。
次の物語で。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます