第4話ノらないハロウィン
ハロウィンの当日は土曜日だった。
友人の二人が仮装を持ってきて、ささやかなお菓子も引っ提げ、訪ねてきた。
時刻は14時45分だった。
インターフォンが鳴り、私は友人を出迎えた。
「「お邪魔しまぁ〜す!!」」
「上がって上がって」
私は二人にスリッパを用意して、リビングに歩いていく。
藤本夏美と加瀬梨生がスリッパを履いてリビングに来た。
「15時からだよね?」
「うん……そういえば仮装用意してないんだけど良いよね?」
「あれだけ言ったのに用意してないの!?用意してないなら文句言わずに私らの用意した仮装するよね?」
加瀬が顔を近づけ、脅すように言った。
「露出度が高くないなら良いけど……」
「用意しない結亜が悪いから文句は受け付けませーん!!」
藤本が返事する。
「結亜は後で良いとして……トイレ貸して、着替えてくる」
「行ってくる」
加瀬が言い出して、藤本が頷いてトイレに着替えに行った。
ソファに腰を下ろし座って待つことにする。
15時になり、着替えた加瀬と藤本が戻ってきた。
加瀬はハロウィンでよく見る水色のシャツのポリスのコスチュームを着ていて、藤本は赤色のチャイナドレスでショーツが見えそうなスリットが入っていた。
「「お待たせ〜」」
「二人とも……ハロウィンじゃなくてもやれるコスプレじゃない?」
「はー、何言ってんの!!ハロウィンしか出来ないっしょ!?」
「そーだよ!!結亜は分かってないよ!!」
二人から猛抗議がきて、投げやりな返しをした私だった。
「ごめんごめん」
「お菓子を食べる前にこのハロウィンのスペシャルゲストに登場してもらおう!雪花ちゃ〜ん」
「はぁ〜い!呼ばれたスペシャルゲストの雪花でーす……」
紫の魔女のコスチュームを身に纏った妹がリビングに姿を現した。
「何が『はぁ〜い』だよ、なんで参加してるの雪花?」
「なんでって藤本先輩にハロウィン一緒に楽しもって誘われたから」
「いやいやいやっ!!何余計なことしてんの、夏美!?梨生も誘ったの、雪花を!?」
「雪花ちゃんも一緒にやったら楽しいと思って。結亜が仮装の用意してないらしくて、なんか良いのある?」
「えっとミイラおとっ……ミイラ女が良いと思って——」
私は服の上から包帯を巻けば良いと提案したのに、藤本と加瀬に着ていた服を脱がされ、ブラジャーとショーツも外され、裸にされ、妹に全身を包帯が巻かれた。
とんだハロウィンになったのだった。
妹はシスコンでえっちがしたい 木場篤彦 @suu_204kiba
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